Vol.94（後編）知り合いから格安で譲り受けたクルマが故障。保証継承していなかったので大損するハメに！

2024年7月30日更新

忘れられがちな保証継承

クルマを個人から譲り受けたら、車両の名義変更などの手続きを行わなければなりません。車両の名義変更についてはディーラーや自動車整備工場で行ってもらうこともできますが、中には自力で行うというケースもあるようです。

しかし、そんな中、メーカー保証の継承手続きは忘れられがち。これは、おそらくメーカー保証に関する認識が、一般的に希薄であることが原因と思われます。

ということで改めてのおさらい。

譲られたクルマがメーカー保証の期間内・距離内の状態であった場合、ちゃんと保証継承の手続きさえ行っていれば、保証の効力は続き、万が一の故障（自然損傷）のときでも無料で修理が受けられます。

このせっかくの“特典”を失わないよう、忘れずに継承の手続きを行いましょう。

12ヶ月点検相当の点検を受けてから
保証書の名義を書き換える

保証継承の手続きはそう難しくはありません。

基本条件である「（譲り受けたクルマが）違法な改造を行っておらず、メーカー純正品以外の部品を使用していない」「日本国外に一度も持ち出していない」「メーカーが認める販売店・代理店の印があるメーカー保証書（メンテナンスノート）がある」などを満たしていれば、下記の手順で継承ができます。

① メーカーが認める販売店・代理店で12ヶ月点検相当の点検を受ける（有料）
※このときに前の所有者あるいは現在の所有者の過失による不具合が見つかった場合は保証対象外となる可能性がある。

② 保証に足る品質が維持されていると判断されたら、その販売店・代理店で保証書の名義の書き換えを行う。

ただし、保証継承を行うには、事前に前の所有者から名義変更を行っておく必要があります。また、前述したように保証継承手続きが完了する前の故障についてはメーカー保証の対象外となりますし、それが原因で保証継承に支障をきたす場合もあります。よって、名義変更からメーカー保証継承手続きは順序よく、きるだけ早く進めていくことが大事です。

なお、以下はロータスクラブの提携企業である三菱自動車がホームページに掲載している保証継承に関する記述です。細かい点を含めて非常にわかりやすく解説されている上、EV、PHEVの保証継承に関する特記もあるので、引用してそのまま掲載します。ご参照ください。

保証継承とは何ですか。また、手続き方法も教えてください[車種全般]

メーカー保証は、保証書に記載された使用者が変更になると失効しますが、車両の保証期間が残っている場合、保証書を新たな使用者の名義に変更していただくことで、保証を引き継ぐことができます。このことを保証継承といいます。

「保証継承手続き」は、三菱自動車の販売会社で法定12ヶ月点検相当の点検（有料）を行います。また、EV・PHEVなどの電動車両の場合には駆動用バッテリーの容量測定と故障がないことの確認（有料）も必要となります。

車両が保証に足る品質を維持していると判断できれば、新たな使用者が保証を引き継ぐことができます。

なお、「保証継承手続き」をお受けいただくには、以下の条件を満たす必要があります。

・保証書（メンテナンスノート）をお持ちいただいていること
・保証書に車両の情報が記入されており、三菱自動車販売会社の捺印がされていること
・「保証継承手続き」を受ける車両が、一度も日本国外に持ち出されていないこと

また、上記の点検や確認の結果、修理の必要が生じた場合は、お客様のご負担となります。

点検にて残りの保証適用が困難であると確認された場合には、保証の継承手続きをお断りする場合があります。