ロータスクラブが運営するクルマとあなたを繋ぐ街「ロータスタウン」
クルマのトラブル「もしも」マニュアル
2020年8月25日更新
車両保険は車両だけの保険じゃない
さて、ここからはTさんの勘違い事例についての解説です。
Tさんは、キャンピングカー仕様に改造する前のワゴン車に、購入価格の300万円を対象とした車両保険をかけていました。そして、その車両保険を「車両本体の損害に対する補償のための保険」であると捉えていました。
だから、改造を施した会社の社長から「キャンピングカー用の車両保険も忘れずに契約しておいたほうがいいですよ」とアドバイスされても「後付けした装備は車両保険には関係ないだろうから、いまのままで大丈夫」と判断し、改めて契約し直すことをしませんでした。
これが間違いの元でした。
おそらくTさんは、車両保険という名称の「車両」という単語に引っ張られて、そんな誤解・誤判断をしていたものと思われますが、保険の内容はもっと広い範囲をカバーしています。
車両保険は、自損事故などによる車両の損害(タイヤのパンクを除く)と、内部に固定されている装備品の損害すべてを対象にして補償が行われる保険です。それゆえ、保険料も車両本体の価格と装備の価格を合算した総額をベースにして決まります(厳密にいうとクルマの「用途・車種・車名・型式・仕様・初度登録(検査)年月の自動車の市場販売価格相当額」を元にして保険料が決められる)。もし、それに応じた保険料を払っていないと、不完全な車両保険ということになってしまいます。
これは後付けで改造したキャンピングカーの場合でもまったく同じ。もともとの車両本体とエアコンなどの装備に加え、新たに取り付けた電子レンジや冷蔵庫といった電化製品などの装備すべてが補償の対象(基本的に車両に固定されている装備が対象)となり、保険料もそれらの総額をベースにして決まります。そして、それに応じた保険料を払っていないと、やはり不完全な車両保険ということになってしまいます。
◎車両保険で補償対象となるキャンピングカーの装備(例)
関連キーワード
クルマのトラブル「もしも」マニュアル
【今回のやっちゃったストーリー】一人で美容院を経営しているSさん(32歳)。ある日の帰宅途中、信号が青になった交差点に進入したとき、信号を無視して走ってきた運…
2017.09.12更新
クルマのトラブル「もしも」マニュアル
鼻炎薬や咳止め薬も運転NG飲んだら運転を避けるべき薬は、風邪薬だけではありません。身近な薬の中では、以下のようなものも運転NGとなります。●使用中は運転な…
2024.11.21更新
クルマのトラブル「もしも」マニュアル
【今回のやっちゃったストーリー】猛烈な台風が直撃して、ものすごい風雨。そんななかIさん(37歳男性・会社員)は、とくに不安を感じることなく、いつもどおり愛車の…
2016.08.30更新
クルマのトラブル「もしも」マニュアル
【今回のやっちゃったストーリー】一人息子が就職して離れた街で暮らすようになったのを機に、Rさん(48歳・会社員)は、長年の夢だった“夫婦二人だけの穏やかな田舎…
2020.04.23更新
クルマのトラブル「もしも」マニュアル
【今回のやっちゃったストーリー】地方に在住している共働きのMさん夫婦(夫26歳・妻23歳)は、いつか子どもを数人もち、みんなでマイホームで暮らすことを夢見てい…
2017.03.27更新
クルマのトラブル「もしも」マニュアル
後編では、もらい事故で後部座席に乗った人がシートベルト不装着の状態でケガをした場合、相手の自動車保険によって行われる損害賠償が減額される可能性が出てくることにつ…
2023.06.08更新