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江戸時代初期から続く有田焼『柿右衛門』の歴史を間近に見ることができる『柿右衛門古陶磁参考館』

2020年6月23日更新

佐賀県有田町は、『有田焼』の産地として知られています。生産が始まったのは、17世紀初期。朝鮮出身の陶工、李参平(りさんぺい)が有田の泉山(いずみやま、現在は史跡となっている泉山磁石場)で磁器に適した陶石を発見し、日本で初めて磁器の焼成に成功しました。後に、製品が県内の『伊万里港』から出荷され始めると、届けられた地で『伊万里焼』と呼ばれるようになりました。二つの名称は残り続け、現在は、有田町で作られたものを『有田焼』、伊万里市で製造されたものを『伊万里焼』としています。

色絵梅菊文角瓶(江戸期)



色絵粟鶉文八角皿(江戸期)



『有田焼』が誕生したころは、白磁に青一色で染付けされた磁器が主流でした。そんな中、日本で初めて赤絵の磁器を作ることに成功したのが、『初代酒井田柿右衛門』です。試行錯誤を重ね、濁手(にごしで)と呼ばれる乳白色の素地と、その素地の余白を生かしながら、赤を主体に緑・黄・紫・青などの色で描く赤絵を完成させ、1670年代に『柿右衛門様式』として確立しました。

色絵柴垣松竹梅鳥文輪花皿(1670~90年代)



その後、江戸時代には、長崎出島からオランダの東インド会社によってヨーロッパに紹介され、人気を博します。これがきっかけとなって、ヨーロッパ各地の窯で『柿右衛門様式』が模され、現在もドイツのマイセン窯などいくつもの窯にその影響を見ることができます。

近年では、2001(平成13)年に十四代柿右衛門が重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定されましたが、2013(平成25)年に没し、現在は十五代柿右衛門が『柿右衛門様式』の精神と技術を受け継いでいます。

上絵付



こうした約380年もの歴史の中で生み出された、歴代の柿右衛門の作品を間近で見ることができる場所が『柿右衛門古陶磁参考館』です。柿右衛門窯の広い敷地の中にあり、人間国宝十四代酒井田柿右衛門をはじめとする歴代の代表作品を展示、紹介しています。また、江戸時代に作られた土型なども展示され、17世紀初頭の日本磁器の草創期からの歴史を学ぶことができます。

古陶磁参考館



『柿右衛門古陶磁参考館』の裏手には葦葺き屋根の家屋とともに、初代柿右衛門が赤色のヒントを得たという言い伝えの残る柿の木が今もあり、これも必見です。

柿右衛門古陶磁参考館



また、同じ敷地内に『展示場』があり、ここではまさに今に生きる柿右衛門の磁器を購入することができます。食器であれば「この器にどんな料理を盛ろうか?」、花器であれば「この花瓶にどんな花を活けようか」などと想いをめぐらし、名工の磁器を選ぶ楽しさは格別です。有田を訪れる機会があれば、絶対に立ち寄るべき場所と言えるでしょう。

展示場

詳細情報

名称 柿右衛門古陶磁参考館
住所 佐賀県西松浦郡有田町南山丁352
電話 0955-43-2267
入館料 無料
営業時間 午前9時~午後5時
定休日 年末年始
駐車場 10台
アクセス 西九州自動車道波佐見有田ICから約12分
ホームページ https://kakiemon.co.jp/
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