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2017年8月8日更新
『犬吠埼灯台』は、千葉県銚子市の東突端に位置する犬吠埼に建つ灯台です。
まずは設置の経緯を、確認して行きましょう。太平洋に半島が突出して、利根川の河口を利用した港が造られた銚子は、古くから交通の要所、魚介類の水揚げ場、醤油の生産地として栄え、多くの船舶が入出港していました。ところが、犬吠埼付近には岩礁、暗礁が多く、海流が複雑で、鳴門海峡、伊良湖岬沖と共に、海の三大難所として多くの人命が失われた場所でもあったのです。1868(慶応4)年には、幕府の軍艦「美賀保丸」が暴風雨に遭い、黒生(くろはい)沖の岩礁に乗り上げて座礁沈没、乗組員13名が死亡するという事故も起きました。このような状況を受け、明治初期に、銚子港の改修と洋式灯台の設置が検討されました。そして、『犬吠埼灯台』は、明治時代初期に江戸条約によって建設された8基、および大坂条約によって建設された5基の洋式灯台に続く、重要な灯台として建設が決まりました。
『犬吠埼灯台』の建設は、イギリスから招いた灯台技師リチャード・ヘンリー・ブラントンの設計、施工監督のもとに明治5年9月に着工し、明治7年11月に完成、点灯されました。日本に5つしかない大きな第1等レンズを使用した第1等灯台で、電球は400Wのメタルハライド電球を使用しおり、110万カンデラの光を放ちます。灯塔高(地上から塔頂までの高さ)は31.3mで、煉瓦製(19万3千枚のレンガを使用)の建造物としては尻屋埼灯台に次ぐ、日本第2位の高さを誇ります。この白亜の灯台は日本を代表する灯台の一つとして、歴史的・文化財的価値が高いとして国登録有形文化財に登録されているほか、海上保安庁が認定する「Aランク保存灯台」23基の一つにもなっています。また、国際航路標識協会(IALA)が選定した「世界灯台100選」や「日本の灯台50選」にも選ばれました。
『犬吠埼灯台』は一般公開されていて、九十九里海岸にちなんだといわれている99段のらせん階段(エレベーターはありません)を上がると太平洋の水平線を一望できます。その眺望は太平洋の孤島に身をおいたと錯覚を覚えるほど雄大で、晴れた日には水平線の丸さを実感できます。
敷地内にある犬吠埼灯台資料展示館には、犬吠埼灯台の歩みや灯台を設計した英国人技師ブラントンの紹介、建設当時使用されたレンガなどの資料展示、灯台の機能・役割の解説などがされています。中でも資料館に展示されている第1等フルネルレンズ(初代レンズ、高さ3.6m、重さ1.7t)は圧巻です。
また、犬吠埼は、山頂・離島などを除いて「日本で最も早く初日の出が見られる場所」としても知られています。
(日本の最東端は北海道根室市の納沙布岬ですが、地軸の傾きにより、元日前後の10日間に限っては、銚子市の犬吠埼が一番早く初日の出を見ることができるのです)周辺は水郷筑波国定公園の一部になっていて、太平洋を臨む景勝地として多くの観光客が訪れています。灯台下の遊歩道は、磯づたいに散策でき、太平洋の荒波が岩に砕けるさまを身近に見ることができます。
また、近くの愛宕山上には『地球の丸く見える丘展望館』があり、展望スペースから「周囲360度のうち330度が水平線」というパノラマビューを体験することができます。
名称 | 犬吠埼灯台 |
---|---|
住所 | 千葉県銚子市犬吠埼9576 |
電話番号 | 0479-25-8239 |
開館時間 | 午前8時30分~午後4時 |
休館日 | 年中無休(荒天時又は業務上の都合により見学できない場合があります) |
料金 | 大人200円(小学生以下無料)※参観寄付金 |
アクセス | 銚子電鉄犬吠埼駅より徒歩7分、東関東自動車道佐原香取ICから国道356号線で約1時間 |
駐車場 | 無し(近くに障碍者用駐車場3台) 君ヶ浜方面にも無料駐車場あり |
トイレ | 構内にはトイレがありません |
ホームページ | http://www.choshikanko.com/extra/toudai/ |
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