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北陸(富山、石川、福井)
2017年11月9日更新
北陸の交通拠点のひとつである小松空港があり、観光では粟津温泉や那谷寺などで知られる石川県小松市。ここに、自動車愛好家ならば一度は訪れたい博物館があります。その名も『日本自動車博物館』。20世紀に登場した日本車を中心に約500台の自動車を収集し、しかも使用可能な状態で展示してあるのです。
この博物館は、煉瓦やセメント、木材などの生産・販売のほか、多様な事業を展開した実業家の前田彰三氏(1930~2005)が、昭和の高度成長期にトラックなどの実用車が使い潰される風潮を良しとせず、それら実用車を中心に自動車を収集したコレクションを展示しています。
1978(昭和53)年、富山県小矢部市の元ブロック工場の跡地に、日本で最初の自動車博物館として開館し、1995年(平成7)年に現在の場所に、規模を拡大して移転しました。前田氏は自ら初代館長となり、「日本の自動車メーカーの歩みを一同に見渡せる」施設の充実を図り、その功によって亡くなる前年(2004)に『日本自動車殿堂』に列せられたのでした。
3,500坪の広大なスペースに、自動車産業黎明期の車から戦後の車まで、メーカーやジャンルごとにコーナーを設けて展示されています。たとえば、1階には『トヨタの広場』『フォードの広場』『大型トラック・バスの街』『オースチンの街』・・・、2階には『日産の広場』『プリンスの街』『シトロエンの街』『小型四輪・トラックの街』・・・、3階には『いすゞの広場』『日野の広場』『三輪トラックの街』『四駆の街』・・・などが設置されています。また2階に、特設コーナー・特別企画展『日本自動車殿堂歴史車展』として、日本自動車殿堂で歴史車として選ばれた12台の自動車が展示されています。
この館でしかお目にかかれないという銘車、希少車も多くあります。たとえば、館のコレクションで最も古い『ドデオンブートン(1899年)』、世界に1台しか現存しない『ベルリエ V‐G22(1922年)』、あるいは日本に1台という『ロールスロイス シルバーレイス(1948年)』、アメリカ車の初期を彩る『ロコモービル(1901年)』などには一種の風格を感じます。
また、実用車では、大蔵省印刷局で消防車として使われた『ダッジ(1936年)』、1930年代に日本陸軍が主力軍用トラックとして使用した『東京自動車工業94式6輪自動貨車(1937年)』、80型トラックシャシーにバスボディを載せた『日産80型セミキャブオーバー型乗り合いバス(1939年)』などや、小型四輪・トラックのジャンルでは、戦前に小型自動車で一時代を築いたオオタ自動車工業の 『オオタ KCトラック(1953年)』、現存するのはこの1台という『ダットサントラック14T型(1936年)』などがあります。
そして、昭和の国産自動車としては、『プリンススカイラインスポーツ』、『トヨタ 2000GT』、『コスモスポーツ』、『いすゞ 117クーペ 1800』など当時の若者たちの人気をさらった車や、360ccのライバルであった『スズキ フロンテ360』と『ホンダ N360』、軽オート三輪の『ダイハツ ミゼット』、あるいは国民車構想に応えて製造された『三菱500』など日本の軽自動車文化を生み出してきた車たちも並んでいます。
これまでに誕生した車には、それぞれに物語があった・・・そのことを思い起こさせてくれる博物館です。
名称 | 日本自動車博物館 |
---|---|
住所 | 石川県小松市二ツ梨町一貫山40 |
電話番号 | 0761-43-4343 |
営業時間 | 午前9時~午後5時(入館は午後4時30分まで) |
定休日 | 年末(12月26日~12月31日) |
料金 | 大人:1,000円、小人(小中学生):500円 ※割引などはホームページ参照のこと |
アクセス | 北陸自動車道加賀ICより約25分、小松ICより約20分 / JR小松駅・JR加賀温泉駅より車で15分 / 小松空港より車で20分 |
駐車場 | 乗用車200台、大型バス50台(無料) |
ホームページ | http://mmj-car.com/ |
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