ロータスクラブが運営するクルマとあなたを繋ぐ街「ロータスタウン」

北海道

かつて世界一のハッカ製造を誇った北海道北見市に今も残る、レトロなハッカのメモリー『北見ハッカ記念館・薄荷蒸溜館』

2019年8月6日更新

スーッとする清涼感たっぷりで、食品や医薬品など、身近で幅広く活用されているハッカ。多くの人にとっては、英語の『ミント(mint)』の呼び方のほうが馴染みがあるかもしれません。厳密には、『ミント』はシソ科ハッカ属の総称であり、『ハッカ』はその中の品種の一つ。正式名称は『ニホンハッカ』といい、その名のとおり、日本在来の品種です。



アロマや飴、お掃除グッズとして注目を集めているハッカも、かつては世界市場をにぎわした北海道作物の一つです。北海道で初めて栽培に成功したのは、明治24年、現在の旭川市永山村に入植した山形出身者で、その後湧別町、遠軽町をへて北見での栽培が始まりました。気候や土壌条件がハッカの生育に適していたことや昔から薬や風味付けとして欧米からの需要が高かったことから、ハッカは北見の一大産業として成長を遂げました。気候や土壌条件がハッカの生育に適していたことや昔から薬や風味付けとして欧米からの需要が高かったことから、ハッカは北見の一大産業として成長を遂げました。



昭和14年の最盛期には、336tものハッカ油・結晶を輸出。世界で生産されているハッカの7割を、北見のハッカが占めていました。しかしその後、安価で手に入る合成ハッカの登場により、天然である北見のハッカ産業は衰退していきました。しかしその後、安価で手に入る合成ハッカの登場により、天然である北見のハッカ産業は衰退していきました。



北見ハッカ記念館は、1934年からおよそ50年間操業していた北見薄荷工場の、事務所兼研究室として使われていた建物と、工場の土地の一部 様々な資料 工場の機械等をホクレン農業協同組合連合会様より寄贈を受け、1986年4月誕生しました。



薄荷蒸溜館は、農家がハッカの草から油を取る工程を再現し また、北見ハッカ産業をけん引した田中式ハッカ蒸留釜をはじめ 歴代の蒸溜機器等を展示する施設として2002年12月に開館しました。



『北見ハッカ記念館』は、ハッカ産業における功績を伝えるため、工場の研究室だった建物を活用し、1986(昭和61)年に開設。2007(平成19)年には、経済産業省より、『田中式蒸留器』が日本近代化産業遺産に認定されました。



館内の見学は、無料です。1階では、工場で使われていた機械類の展示のほか、北見市でのハッカ栽培や研究の歴史を伝える約15分の映像を放映。また、2階では、かつての『貴賓室』や『工場長室』だった部屋を利用して、工場のジオラマなどを展示しています。

展示室「人とハッカ」(旧図書室)



展示室「製品のできるまで」(旧研究室)



展示室「ホクレン北見薄荷工場」(旧貴賓室)



隣接する『薄荷蒸溜館』では、ハッカの苗の育成から刈り取り、出荷までの工程を紹介しています。ハッカの香りが満ちる館内に、明治、大正、昭和とそれぞれの時代に使われていた蒸溜器などが展示されています。

色々な薄荷蒸溜釜



ハッカ貯蔵棚



脳分検定架台





そして、オススメは『ハッカ蒸留体験プログラム』。これは、『薄荷蒸溜館』で随時行われている体験教室です(要、事前予約)。ハッカからエッセンシャルオイルを抽出し、それを基にアロマクリームを作ります。午前10時または午後1時から90分間のプログラムで、料金は一般:3000円、小・中学生:2000円。ただし、子供だけの参加はできません。

ハンドクリーム作り体験



また、毎月第3日曜日を『はっかの日』とし、ミントウォーターのプレゼント(先着30人)や、ミントティーの試飲、ハッカ油の蒸留とその油を使ったハンドクリーム作り体験(30分:1000円)など、イベントも開催しています。詳しくは、ホームページで確認してください。

詳細情報

名称 北見ハッカ記念館・薄荷蒸溜館
住所 北見市南仲町1丁目7番28号
電話 (0157) 23-6200
開館時間 【5月~10月】午前9時~午後5時、【11月~4月】午前9時30分~午後4時30分
休館日 月曜日(祝日の場合は翌日)、祝日の翌日(※金・土曜日が祝日の場合は開館)、年末年始(12月30日~翌年1月6日)
アクセス 車】旭川から国道39号線経由で約3時間(約155km)、帯広から国道242号線など経由で約2時間半(約155km)、【電車】北見駅から徒歩で10分
駐車場 20台
ホームページ http://www.kitamihakka.jp/
  • ロータスカードWeb入会
  • ロータスカードWeb入会
  • 店舗検索
  • 店舗検索
  • 楽ノリレンタカー
  • 楽ノリレンタカー

あわせて読みたい

  • とかちむら

    ロータスな旅 > 北海道

    とかちむら

    帯広競馬場の敷地内にあるレジャー&グルメのスポットです。帯広競馬場では、世界唯一の「ばんえい競馬」を毎週末に開催。体重1トン以上の馬たちが重りを載せた鉄そりを引…

    2015.10.16更新

  • 北海道は“昆布のふるさと”だ!ファクトリーで昆布製品のできるまでを見学し、ミュージアムで昆布の素晴らしさに納得!昆布製品のお土産もいっぱい!『北海道昆布館』

    ロータスな旅 > 北海道

    北海道は“昆布のふるさと”だ!ファクトリ…

    海の幸・山の幸がたくさんあって、どれもこれも美味しい北海道。その中の一つが昆布です。『北海道昆布館』は、福井県敦賀市に本社を置く昆布の卸売りと、昆布加工品など…

    2018.02.28更新

  • フォトジェニックなシーンが広がる北海道美瑛。有名スポット『白金青い池』に近い新しい旅の拠点『道の駅びえい「白金ビルケ」』

    ロータスな旅 > 北海道

    フォトジェニックなシーンが広がる北海道美…

    四季折々の美しい自然が訪れる人を魅了する、北海道の美瑛町。青い水面と、立ち枯れのカラマツが幻想的な風景を作り上げている『白金青い池』は、町の観光スポットの一つで…

    2019.01.15更新

  • 旧国鉄時代の駅舎などを保存した『相生鉄道公園』のほか、手づくり豆腐や十割そば、『クマヤキ』が人気を呼ぶ『道の駅 あいおい』

    ロータスな旅 > 北海道

    旧国鉄時代の駅舎などを保存した『相生鉄道…

    北海道東部オホーツク圏の内陸部に位置する津別町(つべつちょう)。町名はアイヌ語の「トゥペッ」(=「山の出ばなを通っている川」)に由来しています。総面積約716㎢…

    2017.05.15更新

  • 帯広のご当地グルメといえば『豚丼』! 200店を超えるお店の中から、オススメしたいのは『ぶた丼のとん田』

    ロータスな旅 > 北海道

    帯広のご当地グルメといえば『豚丼』! 2…

    北海道帯広市は十勝地方のほぼ中央に位置し、約6割を占める中央部・北東部の平地は、その約半分が農地で、全国でも有数の大規模経営の畑作・酪農地帯になっています。この…

    2017.08.29更新

  • “赤レンガのまち”江別市に登場した、レンガ造りの工場をリノベーションした商業施設『EBRI(エブリ)』

    ロータスな旅 > 北海道

    “赤レンガのまち”江別市に登場した、レン…

    “赤レンガのまち”として知られる江別市に、2016年3月、古くて新しい商業施設がオープンしました。60年以上もたつ、産業遺産のレンガ造りの工場(土管・陶管・レン…

    2017.10.10更新

< 前のページへ戻る