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クルマのことならなんでもガイド
2020年9月25日更新
今月の達人
くるま生活・井上康一
女性ドライバーの皆さん、今日もハッピー&ビューティフルなカーライフを送ってますか? そして、それを実現するために欠かせない保険にちゃんと入っていますか? 今回は、法律で加入が義務付けられている『自賠責保険』についてのお話です。
自分の保険について
ちゃんと理解していますか?
最近、女性のお客さまでもクルマの保険に詳しい方が増えていますが、まだ「自分が契約しているクルマの保険のこと、なんとなくわかっているつもりだけど、ちゃんとは理解していない」とおっしゃる方が少なからずいらっしゃいます。
まあ、保険が複雑にできていることは事実なので、そう思ってしまうというお気持ち、わからないでもありません。
でも、よーく考えれば、やっぱりヘンな話です。だって、愛車や自分自身が路上で「もしも」の事態になったとき、誰もがまずイメージするのはクルマの保険ではないかと思います。せめて基本的なことぐらいはしっかり把握しておくべきですよね……。
ということで、今回と次回の2回、私なりの言葉でクルマの保険の基本的な仕組みや内容について解説させていただきます。
クルマの保険には
「自賠責」と「自動車保険」がある
クルマの保険には「自賠責保険=自動車損害賠償責任保険」と「自動車保険」の2種類があります。
「自賠責保険」は法律で加入が義務付けられていて、別名、強制保険と呼ばれています。基本的には、2年に1度の車検時に契約更新を行うことになっています(自賠責に加入しないと車検は通りません)。
一方、「自動車保険」は加入するかしないかを個人の意思で決めるもの。別名、任意保険と呼ばれています。基本的には1年に1度の契約更新を行うことになっています。
どちらも万が一のときのことを考えて加入するという点では同じ。ですが、それぞれ補償対象や保険金の限度額などが大きく異なっています。
被害者を救済するための
社会保障的な自賠責保険
さて、今回のテーマである自賠責保険にフォーカスしてお話ししていきましょう。自賠責保険は、クルマを運転していて他人を死傷させてしまう人身事故を起こしたときに、被害者側に対して損害賠償金を支払うための保険です。物損事故は補償の対象とはなりません。
この保険、冒頭で述べたように、加入が法律で義務付けられています。なぜそうなっているのか。私なりの解釈では、以下のようになります。
〈もし、ドライバーが人身事故を起こしたときに、その人が任意保険に入っておらず、かつ財力もないとしたら、被害者へ賠償金が支払えないことになる。その場合、被害者側はケガもしくは死亡という被害を負ったうえに補償も受けられないという全面的に「やられ損」の憂き目に遭ってしまう〉
〈国は、交通社会においてこうした理不尽な悲劇が起こることを避けるためのものとして自賠責保険を用意(運用は損害保険会社)。すなわち、財力の有り・無しを問わずすべてのドライバーに加入を義務付けることで、被害者に対して最低限の損害賠償金が支払われるようにしている〉
そう、自賠責保険は公的な交通社会における被害者を救済するために用意されたもので、いわば社会保障的な性格が強い保険です。だから交通社会に参加するドライバーは必ず加入しなくてはいけないことになっているのです。
ケガには120万円まで
死亡には3,000万円まで
では、自賠責から支払われる被害者への「最低限の損害賠償金」はいくらなのでしょうか?
ケガなどの傷害の損害(治療関係費、文章料、休業損害および慰謝料など)に応じて支払われる保険金の限度額は被害者1名につき120万円です。また、後遺障害による損害については、後遺障害の程度に応じた等級に従って75万円から4,000万円を支払い限度額として保険金が支払われます。
◎自賠責による障害の損害への補償限度額
(被害者1名につき)120万円
◎自賠責による後遺障害への補償限度額
①神経系統の機能や精神・胸腹部臓器への著しい障害で、介護を要する障害
(被害者1名につき)
常時介護を要する場合(第1級)4,000万円
随時介護を要する場合(第2級)3,000万円
②上記の①以外の後遺障害
(被害者1名につき)
(第1級)3,000万円~(第14級)75万円
そして、死亡の損害(葬儀費、逸失利益、慰謝料など)に対しては被害者1名につき3,000万円を支払い限度額として保険金が支払われます。
◎自賠責による死亡の損害への補償限度額
(被害者1名につき)3,000万円
どれも実情を鑑みれば、決して十分な額ではありません。ですが、社会保障的な保険であることを考えれば、それなりに評価できる額だともいえます。自賠責保険で支払われる保険金は損害賠償の一部ですが、それは被害者が治療を行って社会復帰したり、(被害者が死亡した場合には)被害者の家族がその後の生活を歩み出す“支え”になることも多いのです。
加入料金は基本的に安く
ときどき値下げも行われる
自賠責の加入料金はかなり安く設定されています。
国が加入を義務付ける社会保障的な保険なので、契約先となる損害保険会社が保険料で儲けることをしないようにしているからです。
しかも、人身事故が減って保険料の支払いが減れば、それに応じてさらに料金が下がります。実際、この2020年の4月には、約16%の値下げがあったばかりです。
どちらも当たり前といえば当たり前のことなのかも知れませんが、必ず保険料を支払わなければいけないドライバーの立場からすると、シンプルにうれしい計らいですよね。
未加入で一般道を走ったら
厳しく罰せられる
自賠責保険は加入が義務化されていて保険料も安い。
こうなると加入しない理由がまったく見当たらないのですが、なんと、まれに自賠責保険に加入しないままクルマを運転している人がいたりします。その多くは車検を通していないクルマなわけですが、ちょっと信じられない怠慢もしくは暴挙です。
当然ながら、こういう人たちにははかなり厳しい罰則が待っています。
〈自賠責未加入の状態のクルマで一般道を走行すると、自動車損害賠償補償法に違反した角で1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられる(自賠責保険の証明書を所持していなかっただけでも30万円以下の罰金)。同時に未加入そのものは交通違反にも問われて違反点数6点が付され、即座に免許停止処分となる〉
また、お金が無いからといって自賠責保険にも自動車保険にも加入していない状態でクルマを運転して、もし事故を起こしてしまったら……例えば、被害者を死亡させる人身事故を起こしてしまった場合、「お金も無く、自賠責保険にも自動車保険にも加入していないので、損害賠償をしなくていい」なんてことはありません。
先ほども「自賠責保険で支払われる保険金は損害賠償の一部」と言いましたが、多くの場合、損害賠償は民事裁判によって決められます。
もし加害者が被害者に対して賠償金を支払えない場合は、国(国土交通省)が被害者に損害賠償金を代わりに払うケースがあるのですが、その分は後に国から加害者に請求(求償)されることになります。それでもし、支払いができなかったら、さらに訴えられ、所有しているクルマ、土地、家、給与などの財産が差し押さえられることも……。
結局、クルマを運転する際に自賠責保険に加入しておくということは、運転免許証を持っているのと同じくらいに基本的で重要な行為だということ。
皆さん、定期的に受ける車検のときには、こうした自賠責保険の重要さをよく意識しながら粛々と更新を行うようにしてください。
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お店紹介
くるま生活:戦時中の1945年5月に、オートレースの選手でもあった初代(祖父・井上辨氏)が広島県福山市明治町でオートバイの販売・整備の事業を開始。その後、二輪車から四輪車へと業態を移し、1959年に「みずしま自動車商工株式会社」を設立。1980年代からは二代目(父・井上清氏)が跡を継ぎ、事業を拡充。1992年には、現在の地である福山市明神町にショールームを開設。三代目である井上康一社長は、大学卒業後、東京で生物工学に関連する実験器具を扱う商社マンとなったが、1993年に地元に戻って父の元で修行し、2001年に社長に就任。2011年に社名を「株式会社くるま生活」と改め、女性ドライバーをメインターゲットにしたビジネス手法を駆使して、新たな整備工場の在り方を追求している。
住所:広島県福山市明神町2-9-25
電話:084-943-7123(代)
HP:http://www.kurumaseikatsu.co.jp
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