今月の達人
くるま生活・井上康一
女性ドライバーの皆さん、今日もハッピー&ビューティフルなカーライフを送ってますか? 今回は、愛車に乗り続けるために必ずやらなくてはいけない「車検」とはどのようなものかについて、基本的なことをわかりやすくご説明したいと思います。また、最後のところで皆さんに、私から一つのご提案をさせていただきたいと思います。
車検はクルマの現状を検査して
公道を走っていいかどうかを決めるだけ
女性ドライバーの皆さんに限らず、定期点検と車検について正しく理解している人って、意外に少ないように思います。実は、この二つは根本的に違うものです。
12ヵ月点検と24ヵ月点検の定期点検は、「クルマの故障やトラブルを予防する」ことを目的としています。クルマが次の定期点検までに安全に乗り続けられるかどうかを見るために、数十箇所にわたって徹底的にチェックします。それで、もし「問題あり」の箇所が見つかったら、そこを修理・交換するなどの整備を行います。
一方の車検は、「そのクルマが、検査時点で国の定める安全・環境基準に適合しているかどうかをチェックする」ことが目的です(クルマのフロントウインドウの上部中央に貼られる「検査標章」は、車検に合格した証。表示されている数字は次の車検の実施年月を表しています)。安全・環境基準を満たしていない項目があれば、車検は通りません。つまり、そのクルマは公道を走れないということになります。
※画像は軽自動車のもの。平成33年4月、つまり令和3年4月が車検時期となる。
注意していただきたいのは、車検の合否が「検査時点で」判断されるというところです。車検を通っても、「現時点では合格ですよ」というだけで、「次回車検までの安全に乗れますよ」と保証しているわけじゃないということです。ここのところを勘違いしている方が多いので、ちょっと強調しておきたいポイントです。
無車検の罰には無保険の罰も加わる!?
それから、定期点検と車検には罰則の「あり・なし」の違いもあります。
定期点検は法定点検なのに実施しなくても(今のところ)罰せられませんが、車検はそうではありません。車検を通していないクルマ=無車検のクルマで走っているところが見つかれば、けっこう重い罰が科せられます。
しかもその場合、無保険(自賠責保険切れ)の罰も加わることがほとんどです。そもそも車検を通すためには、加入が義務となっている自賠責保険の更新が必須なわけですから、無車検で走っているということは無保険で走っている可能性が高いわけです。
無車検&無保険のクルマに乗っていて警察の取り締まりを受けた場合、違反点数は12点となり、前歴がなかったとしても90日間の免許停止になります。もし、無車検&無保険のクルマで事故を起こしたとなったら、場合によっては交通刑務所行きとなることだってあります。それくらい厳しいですし、危険でもあるということです。
◎無車検運行の罰則
違反点数:6点
罰則と罰金:6ヵ月以下の懲役または30万円以下の罰金
行政処分:免許停止
◎無車検運行と無保険運行の両方に違反した場合の罰則
違反点数:12点
罰則と罰金:1年6ヵ月以下の懲役または80万円以下の罰金
行政処分:免許停止
2年ごとの車検(新車の場合は初回だけ3年目)は、だから、さぼるとかなり痛い目に遭うということ。どうかお気をつけください。
定期点検あっての車検という真実
そうした違いがあるとはいえ、定期点検と車検の関係そのものはかなり密接です。
皆さんの愛車が、自動車整備工場(以下、整備工場)などで「車検を受ける」という場合、24ヵ月点検が同時に実施されるのが普通です。これは、法定点検である24ヵ月点検とそれにともなう整備をまず行い、クルマを良い状態に整えて、車検を確実に通そうという考えです。プロの整備士は、車検の項目についてもよくわかっていますから、24ヵ月点検をする中で安全・環境基準を満たしていない項目があれば即座に発見することができます。そんなときは、そこを整備・修理・交換などしてから、車検を通すことになります。
言ってみれば、車検はそこに至るまでの12ヵ月点検の積み重ねと、直前の24ヵ月点検と整備作業によって、検査を受ける際には合格が99%(本当は100%と言いたいところですが)約束されているのです。だから、真実は「定期点検あっての車検」ということになるのではないでしょうか。
前回、グラフでご紹介しましたが、「クルマのチェックなんて車検だけで十分。定期点検はムダだし面倒だからやらない」という考えから12ヵ月点検をすっぽかしてしまう方がいるのは事実です。でも、それは「ハッピー&ビューティフルなカーライフではありませんよ」と申し上げたいところです。12ヵ月点検をすっぽかすことで、車検(+24ヵ月点検)から次回の車検(+24ヵ月点検)まで2年も空いてしまいます。人間だって健康診断を2年しなかったら不安ですよね。クルマも同じで、結局24ヵ月点検でいろんなところを整備し直さなければ車検に通らないということがよくあります。
車検は認証工場&指定工場に任せるのが基本
では、車検(+24ヵ月点検)は、いったいどこに頼むのがいいのでしょうか?
これはもう、言うまでもありません。答えは「信頼できる整備力を持った整備工場(含む、自動車ディーラー)」となります。
車検時に24ヵ月点検および整備も行うことを考えたら、やっぱりちゃんとした技術を持つ整備工場に頼むのが何よりも安心です。
具体的には、国が「ここに頼めば大丈夫」という太鼓判を押している『認証工場』か『指定工場』が、それに該当します。認証工場とは、定期点検時にエンジンやブレーキなどの分解整備をはじめとした高度な作業を行うことができると国が認めている整備工場のこと。そして、指定工場とは、そうした点検整備に加えて、国に認められた車検ラインを自社工場内に持っている整備工場(いわゆる民間車検場)のことです。
それぞれ、以下のような流れできっちり点検と整備、そして車検を行っています。
一応PRしておきますと、われわれ全国1,650社2,000店を数えるロータス店は、すべてが認証工場もしくは指定工場に指定されています。そして、その整備力の信頼度は、数ある整備工場の中でもトップクラスであると自負しています。
「行きつけの美容室」感覚で車検を!
クルマを販売したり、点検・整備したりする仕事は、20~30年前と比べると様変わりして、サービス業としての顔を持つようになりました。その中で、いろんな商品が出てきましたし、またバリエーションが増えました。
車検もそうです。一言で「車検」といっても、30年前と同じような手順でやっている車検もあれば、メーカー主導で開発してきたディーラー車検、あるいは車検チェーンの展開する効率重視の車検など、クルマに対する項目は変わりませんが「やり方」の面ではさまざまな工夫がされてきました。私は、私たちくるま生活が行う車検が一番と胸の内では思っていますが、多種多彩な車検が存在することを否定するものではありません。
そういう状況を前提として、女性ドライバーの皆さんに私からのご提案があります。
定期点検と車検について、「行きつけの美容室」のような整備工場を見つけて、お付き合いしてください。
女性ドライバーの皆さんには、きっと「行きつけの美容室」があると思います。その美容室には定期的に行って、髪をカットしたり、手入れをされていると思います。そして、髪についてのご相談も、「これから伸ばそうか、それとも短くしようか」とか、「染めようか」とか、「手入れはどうするか」とか、「髪の傷みには何がいいか」とか、いろいろ気軽にされていらっしゃるでしょう。
この「定期的に行って、気軽に相談」という感覚で、愛車の定期点検と車検をするということを、私はオススメしたいのです。
なぜかと言えば、「行きつけの美容室」のような整備工場であれば、ドライバーごとのクルマの使い方・乗り方などを踏まえ、先々の計画を一緒に考えながら、定期点検と車検を実施していくことができるからです。つまり、「長く乗りたい」「快適に乗りたい」「経済的に乗りたい」などお客さまのご要望に応じた愛車の点検・整備を行うと同時に、そのお客さまに最適のアドバイスができるのです。
先にお話しましたように、整備工場もサービス業の顔を持ち、車検のバリエーションもさまざまです。きっと、あなたのカーライフに合った、そして愛車の点検・整備を任せられる「行きつけの美容室」のような整備工場があるはずです。その出会いは、間違いなくハッピー&ビューティフルなカーライフにつながっています!
カフェみたいな整備工場があるってこと、知ってましたか?
ネイルがきれいに映えるカーライフ、楽しんでますか?
スキンケアするみたいに、愛車の日常点検やってますか?
健康診断するように、ちゃんと定期点検してますか?
行きつけの美容室のような整備工場で車検してますか?
歯医者さんに通う感覚で、くるま屋さんを利用してみませんか?
自賠責が免許証と同じくらい重要だってこと、意識してますか?
幸せなカーライフに不可欠な自動車保険、ちゃんと加入してますよね?
キャッシュレスOKの整備工場が増えていること、知ってましたか?
ロータスカードの利用で、カーライフをもっとハッピーなものにしませんか?
お店紹介
くるま生活:戦時中の1945年5月に、オートレースの選手でもあった初代(祖父・井上辨氏)が広島県福山市明治町でオートバイの販売・整備の事業を開始。その後、二輪車から四輪車へと業態を移し、1959年に「みずしま自動車商工株式会社」を設立。1980年代からは二代目(父・井上清氏)が跡を継ぎ、事業を拡充。1992年には、現在の地である福山市明神町にショールームを開設。三代目である井上康一社長は、大学卒業後、東京で生物工学に関連する実験器具を扱う商社マンとなったが、1993年に地元に戻って父の元で修行し、2001年に社長に就任。2011年に社名を「株式会社くるま生活」と改め、女性ドライバーをメインターゲットにしたビジネス手法を駆使して、新たな整備工場の在り方を追求している。
住所:広島県福山市明神町2-9-25
電話:084-943-7123(代)
HP:http://www.kurumaseikatsu.co.jp