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クルマのことならなんでもガイド
2020年9月25日更新
今月の達人
くるま生活・井上康一
女性ドライバーの皆さん、今日もハッピー&ビューティフルなカーライフを送ってますか? 第3回目は日常点検がテーマ。これ、自分でやるチェックなので、ついさぼりがちになるんですが、愛車に長く安全・快適に乗り続けたいなら絶対にやらなくちゃいけないことなんです!
冷蔵庫とは違うクルマという機械
最近のクルマって、けっこう長持ちします。10年なんてフツー。20年以上も、安全・快適に走り続けることだってできます。
だけど、もし、クルマを買ったときのままにしていたら、そんな長寿命はムリ。おそらく数年でダメになってしまいます。
なにせクルマの重さは軽自動車であっても1トン前後あります。それが何十㎞/hのスピードで固いアスファルトの上を何度も何度も走るのですから、その振動やショックの影響は相当なもの。いくら丈夫に造られていても、だんだんいろんな部品や機械がダメになってしまいます。
減るものだっていっぱいあります。ウインドウをきれいにするウオッシャー液やワイパーのゴム、エンジンを滑らかに動かすためのオイル、ヘッドライトを点けるバッテリー、安定した走行を支えるタイヤなど、走れば走るほど足りなくなったり、劣化するものが出てきて、補充や交換が必要になります。
そう、クルマは外を走って徐々に痛んでいく宿命を背負った機械。ずっと家の中に鎮座している冷蔵庫のような機械とは根本的に違う性質のものなのです。
だから、定期的にクルマの調子や状態をチェックするのは、とても重要な行為ということになります。それで、もし悪いところがあればそれをなるべく早く直し、交換したりすべき。安全・快適な状態での10年以上の寿命は、そうした一連の動きがあってはじめて実現可能となります。
「なんか、ものすごく当たり前のことを、ものすごくマジメに語ってる」なんて言って笑わないでください。クルマが進化すればするほど、人間はクルマの世話をさぼりがちになる、と……私は経験的に知っています。
たぶん、読者の皆さんの中にも、「クルマ屋さんで見てもらってから、ボンネットを開けたことなんでない」という方が、少なからずいらっしゃることでしょう。そういう方々にぜひとも意識と行動を改めていただきたく、あえて真摯に進言させていただいた次第です。
義務化されている三つの定期的チェック
ドライバーすなわちクルマの所有者が行うべきクルマの定期的なチェックは、大きく分けると以下の三つとなっています。
どれも法律で実施が義務付けられているので、ドライバーは必ず行わなくてはいけません。
ただ、車検と違い、日常点検と定期点検はやらなかったとしても適用される罰則がありません。そのため、皆さん、ついさぼりがちとなります。
けれども、自分の愛車の状態を常に近くにいて確認できる人って、実は自分自身しかいませんよね。だから、定期点検は愛車の健康診断、日常点検は検温くらいの気持ちで、ぜひ行っていただきたいと思います。
ということで、まず今回は、自分でやる点検であるがために一番さぼりがちとなる日常点検について取り上げて、その必要性とやり方を私なりにわかりやすく説明してみたいと思います。
大敵は小さいうちに潰しておくのが肝心
女性の皆さんの多くは、ほぼ毎日、自分でスキンケアされていると思います。あれを怠るとどうなりますか?
肌荒れ、シワ、シミ、くすみなどの美の大敵がじわじわ攻めてきます。それが積もり積もると、もしかすると美容整形外科で多額のお金を払って施術しないと治らないことになるかも知れません。なんだかすごくイヤな流れです。
こんな感じのイヤな流れは、クルマの日常的なチェック&ケアを怠った場合にも起こります。知らないうちにいろんな箇所の不具合が攻めてきます。それらがもし大きな不具合にまで成長したら、安全性・快適性をはじめとするクルマ本来の性能が損なわれてしまいます。
たとえば、低燃費&エコ性能のクルマのエンジンが不調に陥りつつあるのにそれに気付かず放っておけば、だんだんと走りが快調でなくなる上、ガソリン代がかかり、たくさんのCO2をまき散らし始めます。そして、それがひどくなってから自動車整備工場(以下、整備工場)で修理すると、想像以上に大掛かりなことになり、出費がかさむことにもなります。もう、ものすごくイヤな流れです。
こうしたことを防ぐには、普段から日常点検をすることが有効。事あるたびにクルマの状態をチェックしておけば、小さな異状が早期に発見できるので、性能面で早期対応することができ、お金の面でも損失をかなり小さく留められるようになるのです。
ぜひ、スキンケア同様、日常点検を習慣付けるようにしてください。
シート1枚でカンタンにできる日常点検
日常点検は、機械に苦手意識を持っている女性の方でもカンタンにできます。
なにしろチェックする箇所は「エンジンルーム」「クルマ周り」「運転席」の3箇所だけ。それぞれにおける点検ポイントも、エンジンルームで5点、クルマ周りで4点、運転席で6点とごくわずか。慣れれば、たぶん1回15分~20分程度で終えられるでしょう。
中にはヘッドライドやテールランプの点灯チェックなど、一人で実施するのが難しい点検もありますが、それは家族などの協力を得ながらクリアするようにしてください。
点検ポイントについては、以下に掲載している国土交通省が制作した「マイカーを点検しよう! 日常点検15項目チェックシート(※基本的にエンジン車用)」の図や名称をご確認ください。これで誰でも一発でわかります。
実際の点検のときも、このシートを携えながら行うことをオススメします。チェックシートには、それぞれのポイントの点検のやり方や良し悪しの判定の目安がわかりやすく書かれている上に、判定の記入欄も設けられているので、迷うことなくすんなりと作業が進められます。
掲載したシートの末尾には元のPDFがダウンロードできるURLを付してます。これを印刷して、どうぞ今後の定期的な日常点検の実施に役立ててください(※EVなどの次世代車の日常点検の内容についてはメーカーやディーラー、ロータス店をはじめとした次世代車に対応している整備工場にご確認ください)。
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