ロータスクラブが運営するクルマとあなたを繋ぐ街「ロータスタウン」
タウン・ギャラリー<今月のアーティスト>
2017年5月15日更新
「タウン・ギャラリー」では、キュレーターの独自の視点で選んだアートを連載で展示しています。時代に寄り添ったり、寄り添わなかったり、気ままな展開をお楽しみください。
1970年代からきょうまで、神羅万象、老若男女、なんでもかんでも、すべてを描きに描いたイラストレーター日野浦剛(別名ヒノーラ)。描きに描いて疲れたときは、大好きなクルマを描いた。
ハーレーダビッドソンに跨って御用聞きに編集社を回っていた人だから、クルマもやはり迫力のあるやつが好きだ。いまはもう、ほとんど見かけなくなったクルマたち。でも、どこかでまた会ってみたいクルマたち。その3回目は、ブガッティであります。
(キュレーター:佐藤二式)
ブガッティは、ほぼ100年前の1910年代から1950年あたりまで輝いたフランスのメーカーです。イタリアの芸術家一家に生まれ(1881年)育ったエットーレ・ブガッティという人が創設した会社であります。彼は1901年には早くも最初のクルマを完成させ、1910年あたりから量産車の製造に着手します。これは、T35(タイプ35)。1924年にリヨングランプリでデビューし、以後大活躍しました「美しいものは速い!」という彼の言葉通り、T35の美しさは、いま蘇って街で走らせたら、きっと素晴らしく輝き、衆目の関心を集めることでありましょう。
同じT35のヘッドライトを外したバージョン。初期モデルの2リッターのリヨンモデル(8気筒SOHC)、2.3リッター・スーパーチャージャーのT35Bなど、バリエーションの豊富です。これら伝説のレーサーの実績を踏まえて、ブガッティはT41ロワイヤル、T43、T55、T57クーペ・アトランティックなど、美しい名車を続々世に送り出しましたが、第2次世界大戦で工場が破壊され、1947年エットーレ・ブガッティが亡くなると、長い休止期に入ります。そして、ご存知のように1998年、フォルクスワーゲンの100%子会社としてブガッティ・オトモビル社が設立されたのでした。
【プロフィール】
1952年生まれ。1975年頃から、フリーのイラストレーターとなる。マガジンハウス、小学館、ソニーレコードなどでイラストを制作。現在、GAZOO.com『よくわかる自動車歴史館』のイラストを担当。連載はすでに100号を超えている。
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