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みらいのくるまの「ただいまのところ」情報
2024年10月15日更新
決勝前、ALL JAPAN EV-GP SERIESを主催するJEVRA(日本電気自動車レース協会)の富沢久哉事務局長に、レースの行方について話を聞いた。
「予選でアイオニック5Nのハイパフォーマンスぶりは想像以上だった。KIMI選手が勝つつもりでいるのなら、CHOI選手を先に行かせて力を保ちながら走り、終盤で逆転する形に持っていくべきだろう。もし、KIMI選手が先行してアクセルをガンガン踏むレースをすれば、後半にバッテリーがタレて、CHOI選手に優勝を持っていかれることになるかもしれない……。いずれにしても、今日のトップ争いはかなりの接戦になると思う。楽しみだ」
午後4時15分から曇天の中ではじまった決勝レース。富沢事務局長の見立ては7割方当たった。
迅速のテールトゥノーズ
レッドシグナルがオールクリアになった瞬間、KIMI選手(#23)のモデルSプラッドはスタートダッシュを決め、トップで第1コーナーを回っていった。
KIMI選手は、富沢局長が禁じ手としていた先行パワーレースの道を選んだのだった。
これまでプラッドがダッシュすると後続との差がぐんぐん広がったものだが、この日は、そうならなかった。
CHOI選手(#3)と小峰選手(#22)のアイオニック5Nが、後ろにピタリとついた。
特にCHOI選手の5Nの走りは鋭く、ほぼテールトゥノーズでプラッドを追い続けた。
まるで曇天の中の白と青の稲妻。
序盤、トップの2台は予選タイムに近い1分57~58秒で周回を続けた。
それは中盤で4位以下の車両をすべて周回遅れにするかと思わせるほどのハイスピードだった。
観衆は、プラッドの真の速さと5Nの秘めた実力を思い知り、両車の近接バトルに見入っていた。
5Nがプラッドを抜く!
そして7周目。ついに歴史的な瞬間が訪れる。
トップをゆくKIMI選手のプラッドが裏セクターのストレートで突如スローダウン。後を追っていたCHOI選手の5Nがそれをアウトからズバッと抜き去ったのである。
プラッドがレース中にスローダウンするのも、はっきりとオーバーテイクされるのも初。
それは、モデル3とプラッドが築いてきたテスラ王国の鉄壁の牙城を、青い閃光が崩した瞬間だった。
観衆からは言葉にならない歓声が地鳴りのように響いた。
プラッドのスローダウンは、バッテリーではなく駆動系の過熱によるスピード制御が原因。7周目までのトップ争いは、それほどまでに苛烈だった。
伏兵の5Nによる快挙
ゴールまで残り5周。
富沢局長の予想どおり、初参戦であるCHOI選手の優勝の線が見えてきた。
「さすがヒョンデ渾身の1台、さすがプロドライバーの走り」との思いが強くなった。
ところが、そう感じた途端にまた予想外のことが起こる。
CHOI選手の5NがKIMI選手のプラッドを抜き去った直後にスローダウンしてしまったのだ。こちらはバッテリー過熱によるスピード制御が原因。その後、CHOI選手はわずかに余力を残していたKIMI選手に再び抜き返された。
KIMI選手のプラッドとCHOI選手の5Nのトップ争いは、ストレートでも時速150キロの領域にまで堕した。
その隙を突いたのは、付かず離れずで3位を走っていた小峰選手の5Nだった。
8周目で低速走行の2台をあっさり抜いてトップを奪取。そのまま2台をはるか後方に置き去りにした。
実は小峰選手の5Nも、その半周後にバッテリー過熱によるスピード制御でスローダウンするのだが、もはや大勢に影響はなかった。
小峰選手が余裕で最初のチェッカーを受けて初優勝。完全ノーマルのアイオニック5Nで、テスラの最速車を破る快挙を成し遂げた。
いいバトル=楽しいレース
レース後の表彰式。総合1位・2位・3位のドライバーは、三者そろって朗らかだった。
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