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みらいのくるまの「ただいまのところ」情報
2024年3月5日更新
4サーキットで
全6戦を開催
春まだ浅い3月10日からはじまる、JEVRA(日本電気自動車レース協会)主催のALL JAPAN EV-GP SERIES 2024。
今シーズンは4カ所のサーキットを舞台に全6戦が開催されることになっている。
ALL JAPAN EV-GP SERIES 2024 レース予定
第1戦 3月10日(日) 全日本 もてぎ EV 55kmレース大会
第2戦 4月27日(土) 全日本 筑 波 EV 55kmレース大会
第3戦 6月29日(土) 全日本 袖ヶ浦 EV 55kmレース大会
第4戦 8月10日(土) 全日本 もてぎ EV 60kmレース大会
第5戦 9月28日(土) 全日本 富 士 EV 55kmレース大会
第6戦 10月20日(日) 全日本 筑 波 EV 60kmレース大会
きたる開幕戦には
7チーム10台が参戦
開幕となる第1戦の「全日本 もてぎ EV 55kmレース大会」には、以下の7チーム10台が参戦する。
第1戦 全日本 もてぎ EV 55kmレース大会 クラス別エントリーリスト
《EV-1クラス》
#0 荒川 美恵子(車名:TAISAN BIR MIE 3/チーム:Team TAISAN)
#1 久保 凛太郎(車名:TAISAN BIR TESLA 3/チーム:Team TAISAN)
#2 余郷 敦(車名:タイサン BOSCH TESLA 3/チーム:Team TAISAN)
#23 KIMI(車両:Gulf Racing Plaid/チーム:Gulf Racing Japan)
#100 密山 祥吾(車名:TAISAN BIR TESLA S/チーム:Team TAISAN)
《EV-2クラス》
#55 モンドスミオ(車名:モンドカー モデル3 SR+/チーム:モンドコーヒー)
#88 レーサー鹿島(車名:東洋電産・リーフe+/チーム:東洋電産株式会社)
《EV-Rクラス》
#6 大野博美(車名:千葉県自動車大学校 AURA e-POWER/チーム:BARN RACING)
#26 市川 雅之(車名:MKproject NOTE-R/チーム:MKproject RACING TEAM)
#555 廣瀬多喜雄(車名:e-Power オーラ NISMO/チーム:OIRAKU RACING)
昨シーズンまで数シーズンにわたり優勝争いを繰り広げてレースを盛り上げた、スエヒロ自動車商会の2台のテスラ モデル3は、残念ながら今戦は欠場となっている。
最大のトピックは
爆速プラッドの参戦
第1戦の最大のトピックは、Gulf Racing JapanとTeam TAISANがそれぞれ1台ずつテスラ モデルSプラッドを本格参戦させてくることだ。
モデルSプラッドのモーター出力は750kWでモデル3(360kW)の倍大きい。0-100km/hは2.1秒と、モデル3より1秒以上短い。
この爆速の2台が、長らく最速王の座を独占し続けてきたテスラ モデル3勢の牙城を崩せるかどうかに多くの関心が集まっている。
実は、昨シーズンの最終戦でKIMI選手が初めてモデルSプラッドを走らせている。そのときはノーマルのままでの参戦だったためにモデル3勢の後塵を拝した。しかし、今回は2台とも足周りをレース仕様で固めてくると思われる。2台のうちのどちらかがモデル3を打ち負かして優勝を果たす可能性は相当大きいといえる。
第1戦を前にJEVRAの富沢久哉事務局長に今シーズンについての話を聞いたところ、やはりこの注目車両への期待がうかがえた。
「モデルSプラッドはストレートならば尋常じゃないほど速い。優勝する可能性は少なくないだろう」
ただ、同時に懸念材料も口にした。
「モデル3の車重が1.8tのところモデルSプラッドの車重は2t以上。これだけ重いと、いくら足周りをレース仕様に改良したとはいっても、コーナー手前のブレーキングとそれに続くコーナリングは相当キツい。そのことを考えれば、モデル3勢にもまだまだ優勝の目は十分にあるといえる」
富沢事務局長が語ってくれた両者のコーナリングに関する話をまとめると次のようになる。車両が軽く小回りが効くモデル3は、基本的にコーナーをイン・イン・インで回る。対して、車両が重く車長も長いモデルSプラッドは、アウト・イン・アウトが基本になると考えられる。その対比から言えることは、コーナーでモデル3はスピードを維持しながらも、EVの特性を活かした経済的で無理のない走りができるということ。よって、モデルSプラッドがいくらストレートで差をつけても、各コーナーでその差が徐々につまっていくことが考えられる……。
「第1戦の優勝争いは、かなり拮抗したものになるはず。そして、ここで出た結果は、今シーズンのモデル3勢vs.プラッド勢の戦いの行方、すなわち年間総合チャンピオンの行方を占う大きなポイントになるだろう」
初戦から繰り広げられるであろう、かつてない高速バトルから目を離すことなかれ、なのである。
テスラの一強は
第2戦から揺らぐ!?
今シーズンの話題はモデル3vs.モデルSプラッドが核となりそうな気配だが、富沢事務局長の話では「第2戦以降も注目すべき車両の参戦が続く」らしい。
いったいどんな車両が?
まずは、第2戦目以降に、ある海外メーカーの日本法人が最新のEVを投入してくる予定だという。これはモデル3に匹敵する走行性能を誇り、チーム関係者も「表彰台ゲットを狙う!」と意気込んでいるらしい。そうなれば、モデル3とモデルSプラッドによるテスラ勢主導の構図が大きく変わる可能性が出てくる。非常に楽しみだ。
また、参戦時期は不明だが、昨シーズンまで非力なシビックのコンバートEVで4位争いを繰り広げたD-REV@武蔵精密工業が、今度は表彰台をゲットすべく、パワーアップさせた新しいコンバートEVを投入してくるとのこと。果たして「コンバートEVでモデル3を打ち負かす!」という夢は叶うのか。胸の高鳴りが止まない。
さらに、これも参戦時期は不明だが、昨シーズンの最終戦でノーマルのHonda eを走らせたホンダアクセスMS部が、完全にレース仕様に改造したHonda eを投入してくる予定だという。おそらく、レースに長けたホンダ勢ならではの1台になるはず。期待大である。
なお、今シーズンはモデルSプラッドを走らせるGulf Racing Japanが、ドイツのニュルブルクリンクでモデルSプラッドの最速記録を大幅に更新したポルシェ・タイカン ターボSの改良型を、いずれ持ち込むかもしれないとの噂がある。現時点では、実現するとしても来季になる可能性が高いわけだが、場合によっては今季中にその雄姿を見られるかもしれない!?果たしてどうなるか。ワクワクしてその日を待ちたい。
いずれにせよ、今シーズンからALL JAPAN EV-GP SERIESの戦いが格段にレベルアップ&ヒートアップすることは間違いなさそうだ。これはEVの急速進化と軌を一にする劇的変化。レースが実施される各サーキットに足を運び、カーボンニュートラル時代に相応しい熱戦をとことん楽しみ尽くそう。
ALL JAPAN EV-GP SERIES 2024プレビュー
(前編)世界初のシリーズ制EVレースが、ついに15シーズン目に突入!
(後編)爆速モデルSプラッドは、モデル3の牙城を打ち崩せるか!?
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