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みらいのくるまの「ただいまのところ」情報
2024年3月5日更新
日本には国道が459本ある。
そのうち53本は「酷道」だ。
酷道とは、対向車とすれ違えないほど狭かったり、落石や木の枝がたくさん落ちていたり、生命の危険を感じる断崖があったりする酷い状態の国道のこと。
本書は、普通の国道とは大きく異なる点に“ギャップ萌え”を感じた著者による酷道のガイド本である。
「酷い」は「楽しい」
この本には、日本にある酷い国道=酷道53本すべてが写真と短文で紹介されている。
落石だらけの酷道、杉の枯れ葉が敷き詰められた酷道、ガードレールのない崖に沿った酷道、大型車は通行できない酷道、獣の侵入を防ぐためにゲートで閉じられた酷道、道の上を川が流れる酷道、人しか通れない階段がある酷道、アーケード商店街を貫く酷道……etc.
いずれの項でも、その酷さをこれでもかとあげつらう。だが、筆致はどれもユーモアたっぷり。そこには酷道に対する深い愛情のようなものが感じられる。
例えば、国道157号線の紹介文はこんな感じ。
〈ドライブしているだけで生命に危険が迫る。そんなエキサイティングな国道が、日本に実在していた。岐阜県と石川県を結ぶ国道157号線だ。「天下の酷道」として、全国にその名を轟かせている〉
〈岐阜県側からスタートし、最後の集落が近づくと、道幅は一気に狭くなる。そして突然、目の前にオレンジ色の看板が現れた。「危険 落ちたら死ぬ!!」 見る者を恐怖のどん底に突き落とす、トラウマ級の看板だ〉
〈その先は、本当に落ちたら死ぬ道が続いていた。道幅は狭く、ガードレールのような軟派なものは存在しない。一瞬の判断ミスにより、遙か崖下へ転落する。運転中も、常に死の恐怖がつきまとう〉
〈酷道を何時間も走り続け、久しぶりに民家が見えてきた。その先には、なんとコンビニまである。命からがらコンビニに吸い込まれる。生きているって、素晴らしい。死の道にして、生きる喜びが実感できる国道。それが157号だ〉
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