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次世代エコカー勉強会〈19時限目-後編〉2023年4月施行の改正道路交通法で自動運転レベル4へ

2023年4月25日更新

次世代エコカー勉強会_19時限歩行者と同様に歩道を走る
遠隔操作型小型車

2023年4月施行の改正道路交通法では、届出制により遠隔操作型小型車が歩行者として取り扱われることになった。

遠隔操作型小型車の基準を整理すると、以下のとおりである。

【車体の大きさ】
長さ:120㎝以下、幅:70㎝以下、高さ:120㎝以下

【車体の構造】
・原動機として、電動機を用いること
・時速6㎞を超える速度を出せないこと
・歩行者に危害を及ぼすおそれがある鋭利な突出物がないこと

また、走行時の安全性を確保するため、「車両の前方及び後方から簡単に操作できる押しボタンであること」「押しボタンが識別しやすいこと」といった非常停止装置の基準も定められている。

これまで遠隔操作型小型車は原動機付自転車や軽自動車に該当する扱いとなっており、ナンバープレートの取得が必要だった。しかし、4月移行は届出が許可されれば歩道を走ることができ、歩行者と同様の交通ルールに従うことになる。ただし、歩行者に進路を譲らなければならないとされている。

次世代エコカー勉強会19_画像3-1

遠隔操作型小型車には
どんな使い方・サービスが登場するのか

では、遠隔操作型小型車が歩道を走行することにより、これから社会にどのような変化がもたらされるのだろうか。

注目される活用法のひとつが自動配送ロボットである。自動配送ロボットとは、物流の拠点や小売店舗から荷物や商品を配送するロボットのこと。近年はEC市場の拡大やコロナ禍の影響により、宅配需要が急増し、物流業界の人手不足が深刻な課題となっていた。特に、最終拠点からエンドユーザーへの物流サービスを意味する「ラストワンマイル」の物流サービスに課題を抱える事業者が少なくなかった。

そこで活躍が期待されているのが自動配送ロボットである。ロボットの活用により、配送効率が向上するだけでなく、遠隔・非対面・非接触での配送が実現する。配送が滞りがちな雨天時や夜間にも安定的な配送が期待できる。

具体的な利用シーンとしては、飲食店などによるデリバリーサービスをはじめ、医療分野ではオンライン診療後の処方箋や医薬品の配送などが想定されている。

次世代エコカー勉強会19_画像3-2

自動配送ロボットによるカプセルトイや飲料などの販売イメージ(パナソニック)



また、新たな交通手段として1人乗りのコンパクトな移動支援機器であるパーソナル・モビリティへの関心も高まっている。都市部や山間部での通勤・通学の足代わりとなるだけでなく、高齢者の移動支援、外出機会の創出などへの活用も見込まれる。

全国各地で実証実験が
行われている

遠隔操作型小型車を活用した実証実験が各分野で行われている。

例えば、NTTコミュニケーションズ株式会社は茨城県つくば市で小型パーソナルモビリティを活用したシェアリングサービスの実証実験を実施した。高齢者など移動に制約のある利用者が事前に予約し、指定の場所からバス停(公共交通機関)まで自動運転で移動できるという仕組みである。

また、楽天グループと西友、パナソニック、つくば市は2022年に自動配送ロボットによる配送サービスを行っている。これは、つくば市内の約1000世帯を対象に、食料品などをロボットが届けるというサービス。注文から最短30分で配送する「オンデマンド」配送に対応したことや、専用の保冷ボックスが開発されたことで生鮮食料品や冷凍食品、お弁当などの配送にも対応したことが話題を集めた。

次世代エコカー勉強会19_画像3-3

つくば市で食品などの配送サービスを行う自動配送ロボット(楽天、パナソニックHD、西友)



現時点では自動配送ロボットの商用化に当たっては、運用コストや複数のロボットを同時に自動走行させるための技術開発などが課題となっている。そのなかで、パナソニックが藤沢市の「Fujisawa SST」で行った実証実験では、遠隔オペレーターが4台同時監視を実現するなど、さまざまな成果が見られつつある。

ロボットが必要な商品をタイムリーに届けてくれる。そんな便利な社会の到来は着実に迫っているといえるだろう。

次世代エコカー勉強会―2023年4月施行の改正道路交通法で自動運転レベル4へ
〈19時限目-前編〉
〈19時限目-中編〉
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