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みらいのくるまの「ただいまのところ」情報
2022年12月23日更新
eKクロスEVの試乗を終えた後、「メーカー展示」に出展していた横浜ゴムのブースに向かった。
そこには、本HPにも登場してもらったレーサーの塙郁夫選手が2014年にパイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムでドライブしたEV Sports Concept HER-02が展示されていた。
そして、その傍らにはEV・PHEV用タイヤと通常タイヤの重さを比較する展示がなされていた。実際に持ち比べてみたら、EV・PHEV用タイヤのほうが断然軽かった。聞けば、通常タイヤの約10%程度の軽量化が図られているという。
なぜ、EV・PHEV用タイヤはこんなにも軽いのか、そして軽量化にはどんな効果があるのか、ブースにいた横浜ゴム消費財製品企画部の白井顯一氏に話を伺った。
以下はそのレジュメである。
重いEVを支える頑丈さと
電費向上のための軽量化
そもそもタイヤには重い車体を支える耐性が必要だ。頑丈であればあるほど安心のドライブが可能になる。
その一方で燃費向上のための軽量化への配慮も欠かせない。頑丈さだけを追求してタイヤが重くなると、車両全体の重量が増し、燃費が悪化してしまう。
タイヤメーカーは、基本的にこの二律背反する課題を絶妙にバランスさせながらタイヤをつくっている。
この課題はEV・PHEV用タイヤでも同様だ。ただ、解決はさらに厳しいものとなる。
バッテリーを多く積むEV・PHEVの車両は、エンジン車やハイブリッド車よりもかなり重い。そのため、各自動車メーカーは電費向上≒航続距離の伸長のためにできるだけ車体内外の軽量化を図ろうとするわけだが、どうしても限界があるため、タイヤにも軽量化を求めることとなる。
事実、EVやPHEVをつくっている自動車メーカーは、タイヤメーカーに対して純正タイヤに指定する条件として軽量化を強く求めてくる。しかも、それはエンジン車のタイヤに求める軽量化よりもハードルが高い数値となるのが普通だ。
例えば eKクロスEVの純正タイヤの重量は、同じサイズの横浜ゴムの市販コンフォート軽自動車用タイヤよりも約10%も軽いとのことであった。その上で重い車体を支える耐性と少電費(燃費)性能が必須とされ、さらにeKクロスEVの走りに応じた耐摩耗性や静粛性も高いレベルで求められたという。大変な難題である。
しかし、横浜ゴムは、材料の配合を調整するコンパウンダーが理想のレシピを完成させ、それを見事にクリアしている。
一般的に純正タイヤはその車両にマッチしたタイヤが専用開発される。BluEarth-FE AE30が、eKクロスEVの新車が履く純正タイヤのひとつとなっているのは、まさに開発力のたまものなのである(ブリヂストンのECOピアEP150もeKクロスEV専用の改良が加えられ、純正タイヤに指定されている)。
「ちなみに、横浜ゴムのタイヤは昔から雨天で滑りにくいウェット性能のよさで定評があるんですが、今回のBluEarth-FE AE30にもその性能はちゃんと備わっています。わが社の腕のいいコンパウンダーは、求められたeKクロスEV用に適したタイヤレシピを完成させた上で、わが社らしいプラスαの性能もしっかりと盛り込んでいるわけです」(白井顯一氏)
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