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みらいのくるまの「ただいまのところ」情報
2022年10月12日更新
著者の意識を変えた
欧州のリアルなEV事情
著者は日経新聞の記者。職業柄、最新の自動車市場の動向には明るいのだが、2017年までは「EVなんて普及するの?」と思っていた。
その認識が変わったのは、2017年から22年までドイツのフランクフルト支局に赴任し、欧州各地の「EVのリアル」を生で見聞きしたから。
著者は今では「(日本を含む世界各地で)EVは普及する」と確信するまでになっている。さらには「(モビリティにおける)脱炭素の最適解はEVである」と言い切る。
まさに「君子は豹変す」の典型である。本書には、著者の認識を根底から覆した欧州各地での刺激的なEV事情や欧州メーカーのEV戦略のあれこれが紹介されている。
ノルウェーのEV事情は
近未来の日本でも実現!?
著者の変節に最も影響を与えたのは、二度にわたるノルウェーの首都オスロでのEV事情の取材体験だった。
ノルウェーは1990年代からEV振興策を打ち出しており、オスロは早くから「世界のEV首都」と呼ばれていた。だが、最初の訪問時である2017年、街中では確かにEVの姿はよく見かけられたものの、まだまだエンジン搭載車が数多いという印象を受けた。
実際、2016年の車名別新車販売ランキングの上位は、1位がアウトランダーPHEV、2位がトヨタのRAV4といった具合で、ベスト10に入るピュアなEVはVWのe-ゴルフ(3位)、日産のリーフ(7位)、BMWのi3(8位)ぐらいだった。
ところが、4年後の2021年に再訪したところ、状況は大きく変わっていた。街中がEVだらけになっていたのである。
〈「音が違う」。オスロ市街で違和感に気がついた。「ブロロロ」というエンジン音があまり聞こえない。著者が初めて訪れた4年前もEVをよく見たが、今回はその比ではない。すれ違う車が5台続けてEVということも珍しくない〉
〈ノルウェー道路連盟(0FV)によると、17年のノルウェーの新車(乗用車)販売に占めるEV比率は16%だったが、21年は65%に達した。月によっては8割を超えるまでになっている〉
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