月額850円のドラレコ設置で
テレマティクス化する保険
あいおいニッセイ同和損害保険株式会社(以下、あいおいニッセイ同和損保)の『タフ・見守るクルマの保険プラス』は、あらゆるメーカーのクルマを対象としたテレマティクス自動車保険だ。
加入するときに愛車にインターネットに接続する専用ドライブレコーダー(月額850円の特約保険料で貸与)を設置すれば、それでOK。そこから、情報通信ネットワーク運営会社を介してあいおいニッセイ同和損保と常時つながり、常に安全運転効果のある各種サービスが受けられるようになる。
各種サービスは、カタログ上での呼称は異なるものの『タフ・つながるクルマの保険』とほぼ同じである。
改めて紹介すると、①〈運転レポート〉&〈月間運転レポート〉、②〈安全運転スコアに応じた保険料の割引〉、③〈事故緊急自動通報サービス(緊急時リアルタイムサポート)〉&〈見守りサービス(安心見守りサポート)〉がその主なサービスとなっている。
両保険で若干違うのは、『タフ・見守るクルマの保険プラス』には〈安全運転支援アラート〉のサービスがあることと、保険料の割引が『タフ・つながるクルマの保険』のように走行距離とは連動しておらず、安全運転スコアに限定した割引となっていることだ。
こうした違いは『タフ・つながるクルマの保険』がコネクテッドカー向けで、『タフ・見守るクルマの保険プラス』が専用ドライブレコーダーを後付けした普通のクルマ向けということからきている。技術的にカバーできる領域が少しだけ異なるのである。
運転中にドラレコから
注意喚起の音声が流れる
ということで、ここでは『タフ・見守るクルマの保険プラス』特有の〈安全運転支援アラート〉について見ていこう。
〈安全運転支援アラート〉は、ドライブレコーダーが事故につながりやすい運転挙動を感知するとドライバーに向けて音声で注意喚起をするサービス(機能)。主なアラートには以下のようなものがある。
(注)令和元年9月現在、特許出願中。
クルマの制御まではできないにしても、相当に高いレベルの安全運転サポートだ。既にこうした安全運転支援機能を持っているクルマに乗っているドライバーにとっては無用の長物かも知れないが、そうではないクルマに乗っているドライバーにとっては、かなりありがたいサービスと言える。
繰り返しになるが、『タフ・見守るクルマの保険プラス』は、コネクテッドカーだけを対象とするのではなく、すべてのクルマを対象としたテレマティクス自動車保険である。言い換えれば、すべてのドライバーに「事故を起こさない保険へ」のメリットを提供することができる保険なのである。
2021年からは手軽で廉価な
『タフ・見守るクルマの保険プラスS』も
この『タフ・見守るクルマの保険プラス』には、2021年1月から契約が可能となる『タフ・見守るクルマの保険プラスS(エス)』が新しく加わることになっている。梅田傑テレマティクス開発グループ長にその特徴を聞いた。
あいおいニッセイ同和損害保険株式会社 梅田傑テレマティクス開発グループ長
——『タフ・見守るクルマの保険プラスS』の概要、特徴を教えてください
梅田 これまでの『タフ・見守るクルマの保険プラス』は、安全運転効果がある各種サービスが受けられるようにするために、契約対象のクルマに必ず専用のドライブレコーダーを設置する必要がありました。でも、新たな『タフ・見守るクルマの保険プラスS』は、約5センチ四方の小さなデバイスをダッシュボードに貼り付けるだけでテレマティクスの機能が発揮されることになります。
——小さなデバイスが専用ドライブレコーダーと同じ機能を発揮するということですか?
梅田 さすがにドラレコのように映像の記録はできませんが、この小さな箱の中には加速度とか衝撃を感知するセンサーが入っていまして、スマホのアプリ(『タフ・見守るクルマの保険プラスS』専用アプリ)とヒモ付けすることで、『タフ・見守るクルマの保険プラス』の各種サービスとほぼ同等のサービスがしっかり受けられるようになるんです。
——ほぼ同等のサービスが受けられる。
梅田 はい、ほぼ同等です。〈運転レポート〉と〈月間運転レポート〉はスマホなどに送られてきますし、〈安全運転スコアに応じた保険料の割引〉も同じです。少し違う点は、ドラレコに表示される〈安全運転支援アラート〉がなくなることですね。
——多少料金も違うんですか?
梅田 はい、『タフ・見守るクルマの保険プラス』が保険料に専用ドラレコ代を含む特約保険料を月額850円オンするところ、この『タフ・見守るクルマの保険プラスS』の場合はデバイス代を含む特約保険料を月額100円オンするだけとなります。
——いわば『タフ・見守るクルマの保険プラス』の廉価版なわけですね。
梅田 そうです。現実として、ドラレコの貸与代を含む特約保険料の月額850円については、お客さまによって可否が分かれるものでした。また、しばらく前からドラレコブームが起きていて、多くの方がすでにほかのドラレコを設置されており、改めて付け替えることにためらいを覚える方もいらっしゃる。であれば、そういった懐と心の障壁を取り払える商品も必要であろうと、この手軽で廉価なデバイスによるテレマティクス自動車保険を開発・発売したわけです。もともと『タフ・見守るクルマの保険プラス』はあらゆるお客さまにご加入いただける保険商品ですが、進化版の『タフ・見守るクルマの保険プラスS』の登場によって、さらに多くのお客さまにご加入いただけるようになるだろうと思っています。
——テレマティクス自動車保険の裾野が広がりますね。
梅田 2021年1月以降は、コネクテッドカーのための『タフ・つながるクルマの保険』、ドラレコタイプの『タフ・見守るクルマの保険プラス』、手軽で廉価なデバイスによる『タフ・見守るクルマの保険プラスS』と三つが揃い、今まで以上にどなたでも選択しやすくなります。これを機に、ぜひ積極的にテレマティクス自動車保険の検討を始めていただければと思います。
すべてのお客さまに
安全・安心なカーライフを
最後に、新納啓介取締役常務執行役員に、あいおいニッセイ同和損保のテレマティクス自動車保険の魅力を改めてアピールしてもらった。
あいおいニッセイ同和損害保険株式会社 新納啓介 取締役 常務執行役員
「自動車保険に加入されている方の中で事故を起こす方は、だいたい10人に1人くらいです」
「つまり、約1割の方は契約期間中に保険会社と事故処理や補償という接点を持ちますが、約9割の方々は契約期間中に保険会社と接点がないということです」
「これが、従来型の自動車保険、つまり『事故のあとの保険』が生み出すお客さまと保険会社の関係でした」
「しかし、『事故を起こさない保険へ』という挑戦を標榜する当社のテレマティクス自動車保険は、すべてのお客さまに、事故を未然に防ぐための密接なコミニュケーションと割引のサービスを常時提供し、安全・安心なカーライフをサポートするために接点を持ち続けています。万が一事故が起きた際も、『緊急自動通報サービス』によってロータス店さんをはじめとする提携の自動車整備工場にスムーズなご案内が可能です」
「クルマが事故を起こさないように進化していく中で、これからの自動車保険は、同じく事故を起こさないように進化していかなければなりません。それを可能にするのがテレマティクス自動車保険なのです」
「われわれがテレマティクス自動車保険で目指している『安全・安心なクルマ社会』の実現への貢献という想いは、ロータス店さんの基本思想である『地域社会に対する貢献』にも通じるものです。今回の商品ラインナップの拡充を機に、より多くのお客さまにテレマティクス自動車保険をご契約いただき、地域社会に貢献していきたいと思います。どうか、よろしくお願いいたします」
※記事中の画像(取材撮影写真以外)および図表は、あいおいニッセイ同和損害保険株式会社から提供されたもの、あるいは提供資料をもとに編集部で作成したものです。
(前編)「われわれは安全運転で割引がされる日本初の自動車保険を提供しています」
(中編)「2021年から『タフ・つながるクルマの保険』は自動運転を割引対象に加えます」
(後編)「月額100円の特約保険料でテレマティクス自動車保険に加入できるようになります」