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みらいのくるまの「ただいまのところ」情報
2020年1月17日更新
日本にはEVライフ情報が足りない
「EVに乗り替えたら、どんなカーライフになるんだろう?」
エンジン車からEVへのシフトを前向きに考えている人にとっては、これはぜひとも知りたいところだ。だが、残念ながら、いまの日本には、こうしたギモンに応えるような情報が極めて少ない。
書籍だろうと、ネットメディアだろうと、EV関連の情報はビジネス系か技術系のものばかり。EVによってもたらされる魅力的なカーライフに関するものはほんの一握りなのが現状となっている。
世界各国でEV化が劇的に進むなか、日本におけるEVの新車販売台数の実績が1%に満たないことを考えれば、仕方がないことなのかも知れない。しかし、それにしたって淋しい話。これじゃあ、EVへの乗り替えを考えている人たちも、どうするかの踏ん切りがなかなかつかないだろう……。
EVなら1歳半の子を乗せて
2600㎞の長距離運転も可能
そんなEVライフ情報の不足のなか、ぜひ手にとって読みみたいのがネコ・パブリッシングが「100%電気自動車専門誌」と謳って不定期で刊行している雑誌(ムック本)『E MAGAZINE』だ。
2018年11月にVol.1が出て、2019年3月にVol.2が出ているのだが、雑誌が売れない時代に、一冊まるごとわずかな市場しかないEVのことを扱っていて、ある意味、かなり勇気のある(度胸のある)媒体としてキリリと存在している。
この雑誌で注目すべきは、EVオーナーたちのカーライフを追った複数の取材記事だ。内容は十人十色なのだが、どれも読めば「へえ、実際のEVライフって、こんな感じになるんだ」となり、冒頭にあげたギモン「EVに乗り替えたら、どんないいことがあるんだろう?」に対するそれなりの解を示すものとなっている。
記事に登場するEVオーナーたちは、市場を反映して、ノルウェー在住だったり、オーストラリア在住だったり、ハワイ在住だったりして、日本在住のオーナーはごくわずか。また、どのオーナーも、富裕層であったり、意識高い系であったりして、一般とは少し遠い存在だったりする。だけど、クルマの使い方はさほど大きなちがいがないため、彼らの言動はEVの購入を検討するためのいい参考になることはまちがいない。
例えば、Vol.2で紹介されているテスラXに乗るオーストラリア在住の子育て真っ最中の日本人のEVオーナーは、こんなことをいっている。
(電気自動車に)実際に乗り始めてみると快適のそのもの。自宅で充電できるので毎朝満充電、ガソリンスタンドに行く手間やガソリン代を気にすることもありません。そして子育て世代にありがたいのは、停車時にバッテリー上がりを気にせず、エアコンをつかっぱなしに出来ること。真夏日でも真冬日でも、排気ガスを気にせず車内で快適に過ごすことができるんですよ。
テスラに乗っていて良く聞かれるのは「ロングドライブは出来ますか?」ということ。もちろん問題なくできますし、むしろ燃料費が格安の電気自動車こそ、長距離運転にもってこいだと思っています。実際に私も、週末の度にガソリン代を気にすることなく色んな観光地へ出かけています。今年のお正月にはメルボルンからシドニーへ、合計2600㎞走行の旅を敢行。ーー中略ーー 45度超えの真夏日でも、離れた場所からアプリ経由で冷房をオンで、テスラ車内は常に快適。1歳半の子供と一緒でも、テスラならこんな長距離ドライブが問題なく出来てしまいます。私にとってテスラを持つということは移動の自由を手に入れたということでした。(『E MAGAZINE』より)
警報が出るほどの大雪に遭遇したことで、意外な「弱点」も発見できた。それは「タイヤハウスに凍結する雪」である。エンジン車ならエンジンの熱で走っているうちに落ちるが、熱のない電気自動車ではがっちりと凍り付いたままになる。そのまま朝を迎えると「凍結した雪に邪魔されてまともにハンドルが切れなくなることもある」(白馬村内在住のEVユーザー)そうだ。(『E MAGAZINE』より)
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