ロータスクラブが運営するクルマとあなたを繋ぐ街「ロータスタウン」
クルマのことならなんでもガイド
2019年4月9日更新
今月の達人
大村モータース・山中剛
今回のテーマは「バッテリー上がり」です。まずは、「バッテリー上がり」と「バッテリーの寿命が尽きた」場合の違いをはっきりさせた上で、「バッテリーが上がったときの対処法」についてお話しします。
バッテリーは上がっても
まだまだ使える可能性が大
エンジンをかけずにヘッドライトやエアコン、ルームライトを使用し続けると、新品であってもカーバッテリーが上がり、エンジンがかからなくなることがあります。
◎バッテリー上がりの例(新品の場合)
エンジンをかけずにヘッドライト点灯 → 約2時間でバッテリーが上がる
エンジンをかけずにルームライト点灯 → 約5時間でバッテリーが上がる
また、極端に寒い日などにはカーバッテリー内の化学反応が鈍るために本来の性能が落ちてしまい、モノによってはバッテリーが上がり、エンジンがかからなくなることがあります。
◎冬場のバッテリー性能下落の例
外気温0℃ → 約80%まで性能ダウン
外気温マイナス20℃ → 約50%まで性能ダウン
なかなかに困った現象ですが、しかし、これらの例では、即「カーバッテリー寿命が尽きた」というわけではありません。使用年数が3年近く経っているのであれば寿命が尽きたおそれはあるにしても、そうでない場合は、故障は別として、まだまだ使える可能性が高いと見て差し支えありません。
そもそも「バッテリーの寿命(が尽きる)」とは、充放電するための希硫酸と鉛による化学反応が起きなくなっている状態、すなわちバッテリーとして用をなさなくなった状態を指します。
一方、「バッテリー上がり」は、一時的に電気を使い果たしているものの、充放電のための化学反応は健在に行えるので、もう一度電気を送りさえすればすぐに復活する状態にあることを意味します。
いずれも「エンジンがかからない」という状態を起こすにしても、それぞれは似て非なるものということができるのです。
自力で事態の解決を図るなら
ジャンピングスタートを
では、もしバッテリーが上がったときは、どう対処すべきなのでしょうか?
対処方法は大きく分けて二つあります。
(A)自分でジャンピングスタートを試みる。
(B)ロードサービスに助けを求める。
まず(A)について。ジャンピングスタートとは、「近くにいる他車のバッテリーから電気をもらって自車のバッテリーを復活させる」という方法です。
手順をまちがえたりすると故障はもちろん、作業する人のケガにもつながりかねないため、私としてはあまりオススメしたくはないのですが、「どうしても、自力で事態の解決を図らなければならないければならない」という場合もあり得るので、一応、標準的な手順を紹介しておきます。
《ジャンピングスタートの手順》
(1)近くにいる他車にジャンピングスタートへの協力をお願いする。
(2)自車、他車ともにエンジンを止める(自車の電装品はすべてOFF状態にする)。ギアはAT車はパーキング、MT車はニュートラルにし、サイドブレーキをかける。
(3)クルマに積んであるブースターケーブル(通常、赤と黒の2本のケーブル)を取りだし、以下の手順で「他車の元気なバッテリー」と「自車の上がったバッテリー」をつなぎ、復活のための作業を行う。
①赤いケーブルの一端を自車のバッテリーのプラス端子につなぐ
②赤いケーブルのもう一端を他車のバッテリーのプラス端子につなぐ
③黒いケーブルの一端を他車のバッテリーのマイナス端子につなぐ
④黒いケーブルの一端を自車のマイナス部分(マイナス端子ではなくエンジンの金属部分など)につなぐ
※クルマによっては直接マイナス端子につなぐ場合もあるので、取扱説明書を確認した上で作業を行う
⑤他車のエンジンをかけて、回転数を少し高めに保つ
⑥1分から5分ほど待って、自車のエンジンを始動させる
⑦そのまま自車のエンジンは切らず、他車のエンジンだけを切り、つないだケーブルを逆の順番で取り外す(④→③→②→①)
⑧自車はエンジンは切らないまま必要な電装品をONにし、30分から1時間ほど走行してバッテリーを通常の状態に戻す
なお、このジャンピングスタートは、数千円から1万円台くらいの価格で販売されている携帯型のジャンプスターターという商品でも行えます。これを満充電の状態でクルマに常備しておけば、協力してくれる他車がいないところでもジャンピングスタートが行えます。
※クルマに合った電圧、容量の製品を選んでください。
※正しい手順は各商品に付いている説明書で確認してください。
「バッテリー上がり」のときも
ロードサービス利用が一番安心
つぎは、(B)のロードサービスに助けを求めるという対処方法について。
これは、ロータス365サービスやJAFのロードサービスを呼んでバッテリーを復活させるというもので、私がオススメしたい対処方法です。
なにしろ、手順をまちがえると大変なことになるかも知れないジャンピングスタートをプロが行ってくれるのですから、これ以上安心なことはありません。それに、もし、エンジンがかからない原因が単なるバッテリー上がりではなく、バッテリーの寿命やオルタネーターなどの故障だとしたら、それもしっかり診て、バッテリーを交換するなり、レッカー移動して修理するなりといった対応を臨機応変にやってくれます。
よって、安全・安心を期すならば、(A)よりは(B)の対処方法を選択すべきなのです。
たまに「バッテリー上がりごときの小さなトラブルでロードサービスを呼んでいいの?」なんておっしゃる方がいらっしゃいますが、その点についてはどうかご心配なく。
たとえばロータスカード会員対象のロータス365サービスは、どんなトラブルにも24時間365日、しっかりと対応することをモットーとしています。
まずは、ロータス365オペレーションセンターにフリーダイヤルでご連絡ください。たとえ遠隔地でのバッテリー上がりでも、オペレーターがトラブル地点に近いロータス店に連絡をとり、お客さまとオペレーター、ロータス店の三者が同時に会話できる多重会話システムで対応方法を決めます。
そして、クルマのプロが救援に向かいます。
私たちは、お客さまの「もしも」のときにこそ頼りにしていただきたいと、常に思っているのです!
1 カーバッテリーは安心・快適なカーライフを支える「小さな巨人」です。
2 消耗品であるカーバッテリーは「3年ごとの交換」がセオリーです。
3 「3年ごとのカーバッテリー交換」は信頼できる自動車整備工場に任せましょう!
4 カーバッテリーの寿命はクルマの乗り方で変わります!
5 「バッテリー上がり」のときのベストの対処法をお教えします!
6 『充電制御車』には『充電制御車対応カーバッテリー』を!
7 『アイドリングストップ車』には『アイドリングストップ車用カーバッテリー』を!
8 次世代車の『補機用バッテリー』は腕とコスパのいいロータス店で交換を!
9 『新☆車生活』の利用は究極のバッテリーケアに繋がります!
お店紹介
大村モータース:機械を扱うことが得意だった大村金夫氏(初代)が、1940年、地域の自転車、バイク、オート三輪車、消防車などの修理・整備を行う整備工場を創業。その後、二代目の大村勤一氏(現会長)のもとで整備工場としての実力と規模を拡充。1975年の全日本ロータス同友会設立にあたって、メンバーとなる。現在は、三代目である山中剛氏が代表となり、「自動車の販売や点検・整備を通じ、社会を円滑に動かすファンベルトの役割をはたす」をモットーに日々の活動を展開している。
住所:岡山県玉野市田井1丁目3-17
電話:0863-31-1811(代)
HP:http://ohmura-m.com
関連キーワード
クルマのことならなんでもガイド
今月の達人沼津中央自動車・今野秀明[第1回]ロータスクラブは2007年に「ロータス環境宣言」を行った。これを機に、全国の自動車整備工場をリードして環境活動を…
2023.02.27更新
クルマのことならなんでもガイド
今月の達人真鍋モータース・真鍋貴行こんにちは。香川県にあるロータス店『真鍋モータース』の真鍋貴行です。今回のテーマは、クルマの寿命の延ばし方、見分け方。カ…
2016.03.18更新
クルマのことならなんでもガイド
今月の達人大村モータース・山中剛こんにちは。岡山県玉野市にある、ロータス店『大村モータース』の山中剛です。これから数回にわたって、カーバッテリーに関するもろ…
2018.11.12更新
クルマのことならなんでもガイド
今月の達人くるま生活・井上康一女性ドライバーの皆さん、今日もハッピー&ビューティフルなカーライフを送ってますか?今回のテーマは「ネイルがきれいに映えるカー…
2020.05.12更新
クルマのことならなんでもガイド
今月の達人真鍋モータース・真鍋貴行こんにちは。香川県にあるロータス店『真鍋モータース』の真鍋貴行です。今回もゆたかなカーライフのためのヒントやアイデアを紹介…
2016.03.30更新
クルマのことならなんでもガイド
今月の達人こちや自動車工業・東風谷謙二スマートカー(≒次世代車[PHVやEVなど])のなかでどのクルマがベストか。乗る人のスタイルによって向き不向きがあるた…
2017.11.21更新