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2020年1月17日更新
スズキ、三菱自動車などの
最新の88台を徹底批評
1976年から発刊され続けている『間違いだらけのクルマ選び』の見どころは、巻頭のエッセイだけでない。
自動車評論家である著者が実際に試乗した最新のクルマの出来栄えを歯に衣着せぬ口調で論じ、採点までする「車種別徹底批評」も、また見逃せない企画となっている。実際、昔から現在に至るまで、多くの人たちがこれを参考にしてどのクルマを購入すべきかを決めている。
今回の『2019年版 間違いだらけのクルマ選び』での「車種別徹底批評」は88台が対象となっている。それぞれ[コンパクトカー][セダン・ワゴン][PHEV・EV・FCV][軽自動車][ミニバン][スポーツカー][SUV][外国車]といったカテゴリーごとに分けられるなかで、その良し悪しが判定されている。
当然、ロータスクラブが提携しているスズキと三菱自動車の最新のクルマにも批評が加えられている。それがどんな内容なのか、気になるところ。以下にざっくりとした概要を紹介していきたい。
大人気の新型ジムニーは
G-SHOCKのようにタフでカッコいい
ジムニーが、2018年に20年ぶりにフルモデルチェンジして登場した。
これまでのジムニーの伝統を受け継ぎながらも、走破性能をはじめ、さまざまな機能がブラッシュアップされている。そして、オフローダーらしい角張ったカッコいいデザインがことさら目を惹く。もちろん規格は軽自動車のままで、価格は145万8000円からとかなり抑えた設定となっている。
発売後約1ヵ月で受注台数が1万5000台以上に達したことからわかるように、人気は絶大。ウワサでは注文してから納車まで1年近くかかるとさえいわれている。長くジムニーファンだった人はもちろん、まったくジムニーに縁がなかった人まで、このクルマに魅せられているようだ。
実は著者は、以前のジムニーをあまり評価していなかった。走破性は高いにしても、イメージとは違ってて剛性感に乏しい印象があり、そこがどうも好きになれなかったという。
ところが、今回のジムニーは、この口うるさい著者の心を大いにくすぐった。本書では〈カシオのG-SHOCKのような、触るだけで嬉しくなるタフギア〉と評して褒め称えている。
著者のジムニーの採点は以下。総合評価はなんと10点満点になっている。
・デザイン……………10点
・走りの楽しさ……… 8点
・快適性……………… 3点
・パッケージング……10点
・エコ性能…………… 6点
・安全性……………… 3点
・魅力度………………10点
〈総合評価〉…………10点
新しいジムニーのそのほかの長所や、著者ならではのあえての辛口評については、本書を購入して確認してほしい。ただし、購入欲を激しくそそる内容となっているので、そこらへんは用心しながら読んでもらいたい。注文したとしても納車まで長いガマンを強いられること必至らしいので……。
アウトランダーPHEVの走りは
まるでランサー・エボリューション
アウトランダーPHEVは、2013年に現行タイプが発売されて以降、毎年のように改良が加えられている。2018年の夏に登場した新しいアウトランダーPHEVも、その流れ中の1台で、マイナーチェンジ車という位置付けになっている。
それ故、外観はあまり変わっていない。しかし、走りの性能は驚くほど大きく変わった。
EV走行の航続距離は60㎞から65㎞に延び、最高速は125㎞/hから135㎞/hに高まった。また、これまで前後2基の電気モーターの最高出力がともに60kWだったところ、リア側が70kWになったことで、加速性能も飛躍的に向上した。
著者は、この走りの進化にいたく感心した。試乗の際、コーナーの立ち上がりで、リアの駆動力で旋回を助けつつ確実にクルマを前に進めていくような加速を体感し、「これはランサー・エボリューションの再来か!」と思うほどに驚いたという。マイナーチェンジしたアウトランダーPHEVは、マイナーチェンジとはいえないほどに痛快な走りを実現する1台になっていたのである。
感心したのは、それだけではない。
もともと筆者は、PHEVというクルマについては、EVモードで走っているあいだは静かで滑らかな未来的な走りが楽しめていいのだが、突如エンジンがかかって大きな振動とノイズが入り出すと、途端に現実に引き戻されるところに嫌気を覚えていた。システム上、仕方がないことであるにしても、「これ、もう少しなんとかならないのか?」 と。
マイナーチェンジしたアウトランダーPHEVは、しかし、それにもしっかりと応えていた。
エンジンは始動するが、その際にも2Lから2.5Lへの排気量拡大によりトルクに余裕ある低回転での運転になり、しかも入念に静粛性対策がなされているから、騒音はかなり抑えられている。--中略-- (それに加えて)加速時にアクセルの踏み込み具合に回転上昇がリンクすることになったことによって、エンジン音は認識できるが、しかし、気には障ることが無いようになっている。効率性も大事だが、人間の感覚とマッチさせるのも、こうした新しい技術には必要というわけである。(『2019年版 間違いだらけのクルマ選び』より)
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