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みらいのくるまの「ただいまのところ」情報
2018年6月26日更新
一般社団法人日本EVクラブ(以下、日本EVクラブ)は、2018年5月17日から31日まで『電気自動車 EVスーパーセブンで東北被災地を巡る旅 ~元気と電気を届ける旅』を実施した。すでに他の記事で報告されているように、ロータスクラブは、この度日本EVクラブに加盟し、この旅についてのサポートを行っている。東北被災地に元気と電気を届ける旅は、どのような物語を生むのか。われわれ取材班はこのユニークな旅に計4日間密着し、各地で行われた活動の様子を追った!
EVのすばらしさって?
「EVって、すばらしい!」
このごろ、そう口にする人たちが増えている。
そして、みんな、その理由として以下のようなメリットをあげる。
「加速が気持ちいい」
「室内が静か」
「振動が少ない」
「長距離運転でも疲れない」
「排気ガスがでない」
まさに、そのとおり。EV(電気自動車)はバッテリーとモーターで動くので、走りがとてもスムースだ。しかも、地球温暖化をもたらすCO₂などの有害なガスがまったくでないので極めてエコだ。そういう意味で、とてつもなく画期的なクルマということができる。
だが、EVのすばらしさはこれですべてではない。みんな大事なことを一つ忘れている。
それは、「給電ができる」ということ。そう、EV(含む、PHEV)はクルマに蓄えた電気を家や家電に給電できる機能ももっているのだ。
これによって、どんなメリットが生まれるかというと……
料金の安い夜間に蓄えた電気を家の昼間用として使える経済的な恩恵がもたらされる。
また、地震などの災害による停電時においては、心強い電源となり、比較的安定した避難生活が可能となる。
さらには、野外でのキャンプなどではホットプレートや炊飯器などの家電製品が動かせるようになるため、これまでにない便利で楽しいアウトドアライフが満喫できる。
スムースに走り、環境によくて、給電までできる。
だからこそ、EVは、エンジン車とはまったく違う次元の魅力をもった超絶すばらしいクルマということができるのである。
〈5/17 東京国際交流館から出発〉
社会貢献できるEVのアピールを!
日本EVクラブはEVの普及を後押しすべく、設立の1994年以来さまざまなイベントやセミナーを通してその魅力を発信し続けている。
ことし5月17日から31日にわたって実施した『電気自動車 EVスーパーセブンで東北被災地を巡る旅 ~元気と電気を届ける旅~』(ロータスクラブもクラウドファンディングで協力)もその一つ。
この旅は、冒頭に述べたような事柄、すなわち、まだあまり多くの人が意識していないEVの給電機能のすばらしさを広くアピールすることを狙っている。
5月17日、東京国際交流館で開かれた旅の出発式では、挨拶に立った代表の舘内端氏が、つぎのような趣旨を述べている(要約と改編あり)。
「極端なことをいえば、これまでガソリンで動く自家用車は、『見栄』『所有欲』といった個人の欲望を満たすだけの存在に留まっていた。でも、EVの場合は、その給電能力を使えば、災害時に自分の家だけでなく、隣近所にも電力を分けてあげられるようになるといったソーシャルな部分がでてくる。つまり個人の欲望を満たすだけでなく、社会貢献もできる自家用車になるんです」
「今回の旅では、2011年に地震と津波の被害に遭った東北地方の沿岸を走るわけですが、行く先々でEVからの電力で給電カフェを開いたり、ゼロエミッションキャンプをやったり、震災で亡くなった方々の鎮魂を祈るモニュメントのライトアップをしたりしたりして、EVのそのソーシャルな部分をアピールしていきたい」
「そして、これは僕の夢なのですが、これから起こるかもしれない東京直下や南海トラフの大地震に備えて、全国でEVによる安心の給電ネットワークをつくっていくことも提言していきたい。どうぞ、旅の成果に期待してください」
晴れ晴れとしたスタートも……
旅の主役は、もともとガソリン車だったスーパーセブンだ。これは、エンジンの代わりにバッテリーとモーターを載せたコンバートEVで、バッテリーには三菱自動車のアイミーヴのMタイプのものを採用していた。
ただ、このクルマ、給電を任とはしていなかった。チャーミングで目立つクルマであることから、旅の象徴として走り、給電のほうは伴走する三菱自動車のアウトランダーPHEVが担当する。
5月17日の午後12時、メインドライバーを務める日本EVクラブの会員である堤健一氏(株式会社LTE代表・写真左)と寄本好則氏(フリーライター)が紹介されたあと、そのEVスーパーセブンは、アウトランダー、リーフといったPHEVやEVを数台引き連れて東京国際交流館からの出発を果たした。
天気も雰囲気も晴れ晴れとし、じつにいいスタートだった。
が、好事魔多し。
なんと、出発後すぐにEVスーパーセブンの急速充電機能が失われて普通充電(100V)しかできなくなるというトラブルに見舞われてしまったのだ。先行きに暗雲が垂れ込める展開……。旅の行程に支障を来たすことは確実である。
しかし、ほどなく「最悪の場合は、格好が悪くてもアウトランダーに牽引してもらいながらでも走らせよう」(館石代表)と腹をくくり、その覚悟をもって、ゴールとなる青森県の大間崎までの約1000キロにも及ぶ旅が続けられることになったのであった。
さて、どうなることやら……。
(文:みらいのくるま取材班)
【ルポ】日本EVクラブ『電気自動車EVスーパーセブンで東北被災地を巡る旅』
①・・・「全国にEV給電ネットワークをつくるのが僕の夢」(舘内端)
②・・・「世界初の外部給電器を生む契機となった中学校に感謝」(堤健一)
③・・・「東北の人たちがEVに乗れば震災支援の恩返しができる」(柴山明寛)
④・・・「EVで旅すると電気エネルギーのありがたさが身に染みる」(寄本好則)
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