今月の達人
宮本モータース・宮本毅
ご存知ですか?せっかく“ちゃんとしたタイヤ”を履いていても、日頃の空気圧チェック&エア充填を怠ると、効果はないし、逆にマイナス面がいっぱい!今回はタイヤの空気圧に関するお話です。
セルフのガソリンスタンドが増えて
空気圧不足のタイヤが増加中!?
自動車整備の現場感覚でいうと、以前に比べて「タイヤのエア充填が十分でないクルマが増えている」という感じがします。この写真に写っているようなタイヤ、皆さんも見かけたことがあるのではないでしょうか?
画像提供:株式会社ブリヂストン
どうして、こんなことになっているのでしょう?
これは多くの人が指摘していることなのですが、世の中にセルフのガソリンスタンドの比率が高くなってきているからだと思われます。
以前は、ガソリンスタンドのほとんどが有人で、給油に立ち寄ると頻繁に「タイヤの空気圧、大丈夫ですか?」「空気圧が下がっていそうだから、空気入れておきましょうか?」といった声がけやサービスがありました。そのため、ドライバーが日ごろから意識せずとも常にタイヤの空気圧が適正に保たれるといういい流れができていました。
ところが、セルフのガソリンスタンドが多くなったいま、そういう流れは期待できません。点検時に整備工場で空気圧をチェックする以外には、ドライバーは、自分で小まめにタイヤの状態を確認しなければならないのです。
しかし、人間はなるべく楽をしたい生きもの。現在、それをちゃんと習慣としてやっている人はそんなにいません。多くの人が数ヵ月ものあいだノーチェックのままで過ごしがち……。タイヤのエア充填が十分でないクルマが増えているのは、つまりは、その集積というわけです。困ったことです。
空気圧不足のままだと
タイヤの性能が台なしに
空気圧が適正でないタイヤでも、よほどペチャンコでない限り走ることは走ります。
でも、そんなタイヤで運転を続けても、いいことはひとつもありません。
空気圧が不足したタイヤは以下の図のように中央部分が凹んで両肩が多く接地する潰れ方をするわけですが、こうなるとさまざまな弊害がでてきてしまいます。
《空気圧不足の状態とそれによる弊害》
①燃費が悪化する。
②静粛性が悪化する。
③乗り心地が悪くなる。
④タイヤが偏摩耗し、寿命が短くなる。
⑤タイヤが発熱し、損傷しやすくなる
⑥ハイドロプレーニングが起きやすくなる。 etc.
そう、せっかくちゃんとしたタイヤを履いていても、空気圧不足の状態だと、その甲斐がまったくなくなってしまうということです。
意識的に小まめな空気圧チェック&エア充填することは、いいカーライフを過ごすために不可欠な行為となるわけです。
皆さん、ぜひとも空気圧チェック&エア充填を小まめに行うようにしてください。
1ヵ月間で5~10%の空気が
自然に抜けていく
では、空気圧チェック&エア充填の頻度は、どれくらいのペースで行えばいいのでしょうか?
理想は最低1ヵ月に1回だといわれています。
どうしてかというと、走行距離によって多少の変動はあるものの、1ヵ月で5~10%ほどの空気が自然に抜けていってしまうからです。しかも、これは車庫に置きっぱなしにしていたとしても起こる現象なのです。
だから、「あまり走っていないからタイヤの空気圧は適正だ」と思いこむのは大いなる間違いです。走行距離に関係なく、1ヵ月に1回というペースはできるだけ守らなければなりません。
愛車の適正空気圧は
空気圧表示シールで確認を
つぎに、空気圧チェック&エア充填の目安となる適正空気圧の数値ですが……これは装着するクルマによって違ってきます。クルマに人や荷物がどれだけ乗るかなど、搭乗数・積載量によって変わることもあります。
ときどき「めんどくさいから、250kPa(キロパスカル)ぐらいが普通と覚えておけばいいんだよ」などと乱暴なことをいう人がいますが、それはあくまで平均的な数値を述べているだけなので、そのまま信じてはいけません。それが皆さんの愛車のタイヤにはふさわしくない空気圧であることもあります。
たとえば、最近の軽自動車が装着しているタイヤは、どれも燃費を稼ぐために細めの設計となっているのですが、メーカーサイドが「さらに燃費を稼げるようにしたい」と考えた場合は適正空気圧が高めに、「安定走行を確保するために接地面を大きくしたい」と考えた場合は適正空気圧が低めに設定されています。つまり、クルマのコンセプトによってタイヤの適正空気圧は違うということです。
皆さんの愛車の適正空気圧は、どうなっているでしょうか?ご存知の方が多いと思いますが、それは運転席側のドア付近か給油口などに貼ってある空気圧表示シールにちゃんと書いてあります。その数値を目安に空気圧チェック&エア充填をすれば、それでOKです。
微妙な“エア加減”は
ロータス店におまかせ!
残る問題は、その1ヵ月に1回の空気圧チェック&エア充填をどこでやるかということですが、私は、お近くのロータス店をはじめとした信頼できる整備工場やタイヤ専門店で行うことをオススメします。
ちなみに、ウチでは、お客さまが点検・車検や整備で入庫された際のみならず、気軽に立ち寄られた際にも無料でタイヤの空気圧チャック&エア充填にお応えしています。
話を戻して、なぜロータス店をはじめとした信頼できる整備工場やタイヤ専門店がオススメなのか…。
一つには、ちゃんとしたエアインジケーターとエアポンプが完備されているという設備面もありますが、もっと大事なことは、腕のいいプロの整備士がいて、タイヤの状態をしっかりとチェックしながら、適切なエア充填を行うことができるからです。
実は空気圧表示シールに書かれている適正空気圧の数値は、タイヤが冷えている状態(20℃ぐらい)のときを前提とした数値です。
もし、走行直後のときに空気圧をチェックすると、タイヤが熱をもつことでタイヤ内の空気も膨張するため、本来は適正であったとしても、1割前後高く表示されることがあります。逆のことをいえば、実際は空気圧が足りない状態なのに、適正空気圧の数値が表示されることもあります。空気圧はタイヤの状態に影響されるわけです。
だから、エア充填するときも、いつも空気圧表示シールに書かれている空気圧の数値にピッタリ合わせればいいということにはなりません。そのときの気温や気圧やタイヤの状態によって、表示の数値より高くしたり低くしたりの微妙な“さじ加減”ならぬ“エア加減”が必要となってくるのです。
簡単そうに思えるタイヤの空気圧チェック&エア充填にも、そうした知識・技術・経験が求められます。やはり、クルマとタイヤのことを熟知しているプロの整備士に任せるのがベストといえるでしょう。
ということで、皆さん、タイヤの空気圧チェック&エア充填のために、月に1回、ぜひロータス店にお越しください!
お店紹介
宮本モータース:宮本武夫氏(宮本毅氏の祖父)が、1937年に新潟県魚沼市で創業した歴史あるロータス店。自動車の普及とともに発展し、二代目の宮本実氏(叔父)、三代目の宮本好治氏(父)に続き、現在は四代目の宮本毅氏が経営を担っている。社是は「私たちの仕事は、あなたさまの安心、快適なカーライフをお手伝いすることです」。地域密着を基本としながら、お客さまのカーライフ充実に向けた活動に積極的に取り組んでいる。
住所:新潟県魚沼市堀之内103番地
電話:025-794-2508
HP:http://miyamoto-motors.jp