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クルマのトラブル「もしも」マニュアル
2018年5月9日更新
水没や衝突の事故で乗員がクルマからでられなくなることがある。その缶詰状態から脱出を図るためには緊急脱出支援用具(通称:緊急脱出用ハンマー)が必要だ。しかし、どれでもOKというわけではない。できるだけ高性能な用具を選んだおくことが肝心だ。たとえば、JIS規格の基本モデルに指定されている「消棒RESCUE」はその最たるものといえる。ということで今回は、製造・販売元の株式会社ワイピーシステム(以下、ワイピーシステム)にうかがい、製品開発の背景と経緯、特長などについてインタビューをおこなった。
“缶詰事故”は例年2万件前後も起きている
クルマが少し深い水溜まりにはまって止まるとドアが開かなくなることがある。わずか水深50センチであってもドアに120㎏以上のチカラがかかるせいだ。
また、衝突事故や横転事故に遭ったときもドアが開かなくなることがある。衝突の衝撃でドアを含めた車体が変形し、ひっかかりが生じてしまうためだ。
こういう事態に陥ったとき、だれもがウインドウからの脱出を考えるわけだが、それもうまくいかないことが多い。なぜなら、いまのクルマはほとんどが電動式のパワーウインドウであるため、水没や衝突で電気系統にダメージを受ければ、いかにスイッチを押したところでウインドウはうんともすんともいわなくなってしまうからだ。躊躇や狼狽で時間を失えば、クルマの乗員たちはまったくの缶詰状態に追いやられる可能性が大となるのである。
もし、缶詰状態になったとしても、すぐに警官や消防隊員などのレスキューが駆けつけてくれればなんとかなるだろう。しかし、そうではない場合はたいへんだ。それは即、命の危機へとつながる。水かさが増せば車内はやがて密閉された水槽と化してしまう。エンジンが火を噴けば車内はたちまち灼熱の火炎地獄となってしまう。脱出できなかった乗員たちはなす術なくその災いに身を挺すしかない……。
想像するだに恐ろしいことだ。だが、これらは現実によく起こる話でもある。消防庁の調べによると、例年2万件前後もの“缶詰事故”が発生しており、そのなかで水没事故死者数は約150人、火災による死亡者数は約200人にのぼっているという。悲惨というほか言葉がでない。
用意しておきたい緊急脱出支援用具
もしもクルマのなかに缶詰状態になったとして、すぐに助けがこないときは、いったいどうすればいいのだろうか?
考えられる方法としては、車内に搭載した緊急脱出支援用具(通称:緊急脱出ハンマー)を使って外に脱出するしかない。緊急脱出支援用具に付いているカッターは、普通の刃物では切ることのできないシートベルトの不織布を容易に切断でき、用具に付いている金属の突起は金槌でも割れない強化ガラスをカンタンに割れることになっている。緊急の事態においては、そうした破壊行為をすることによって脱出を図り、自らの命を助けるのである。
たとえば衝突事故で缶詰となったときは、こうなる。
衝突の衝撃を受けると、シートベルトはプリテンショナー機能によってきつく締まり、カンタンにはずせない状態となる。そこでまず、緊急脱出支援用具の刃のついた部分でシートベルトを切って身を自由にする。そのうえで用具の突起部分でウインドウのガラスを割り、人が抜けでられる空間をつくる。これで、エンジンルームからの火炎に巻き込まれることなく、脱出できることになる。
このように想像すると、万が一のときの脱出のことを考えれば、緊急脱出支援用具は、クルマにひとつは用意しておきたい必須のツールといえるだろう。
国民生活センターのテストで
「消棒RESCUE」の優秀さが判明
ただし、この緊急脱出支援用具、しっかりしたものを選ばなければ意味がまったくない(用を成さない緊急脱出支援用具は、“命取り”になる)。
ところが、世の中には「シートベルトがちゃんと切れない」「ウインドウがちゃんと割れない」という、言語道断な緊急脱出支援用具があったりするから驚く。
少し前の話になるが、2013年に国民生活センターが、当時、市場にでまわっていた19種の緊急脱出支援用具の性能テストを行ったことがある。そのとき、驚くことにほとんどの製品が「問題アリ」とされた。たとえば、シートベルトを1枚切ると刃がボロボロになってその後は切れなくなる、ウインドウを1枚割ると突起のヘッド部分が潰れてその後は割れなくなる、などなど……。それらの多くは、価格面では消費者が購入しやすい廉価設定になっていたが、事故に遭ったときには乗員に大きな絶望しかもたらさない粗悪品であった。
とはいえ、すべての製品がダメなわけでもなかった。テストが行われるなか、幸いにもひとつの緊急脱出支援用具の頭抜けた優秀性が証明されるに至っている。
それが、ワイピーシステムが製造・販売している「消棒RESCUE」という製品であった。シートベルトを切ったり強化ガラスのウインドウを割る性能の素晴らしさはもちろんのこと、二酸化炭素ガスによる消火機能も併せもつこの製品は、乗員の危険な状態からのスムースな脱出を支援するための十分な性能をもつと結論づけられ、高い評価を得ることになったのである。
これを機に、その優秀性は行政が認めるまでとなった。現在、「消棒RESCUE」が緊急脱出支援用具のJIS規格の基準モデルに指定されているのは、そのなによりの証左といえる(「消棒RESCUE」自体のJIS認定は2018年6月頃の予定)。
ということで、ひとまずの結論は・・・万が一のときの安心を考えるなら、「消棒RESCUE」ならびにそれに準じた性能をもつ緊急脱出支援用具をクルマに用意しておくべきである・・・ということである。
【番外編】緊急脱出の準備、できていますか!? JIS適合の「消棒RESCUE」が頼りになるワケ(前編)
【番外編】緊急脱出の準備、できていますか!? JIS適合の「消棒RESCUE」が頼りになるワケ(中編)
【番外編】緊急脱出の準備、できていますか!? JIS適合の「消棒RESCUE」が頼りになるワケ(後編)
【製品情報】
・消棒レスキュー ・・・・・ 定価6,000円
・消棒ライフセーバー ・・・ 定価3,000円
※消費税・送料・代引手数料は別途
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