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近畿(大阪、京都、兵庫、奈良、滋賀、和歌山)
2017年12月26日更新
日本全国にさまざまな蕎麦がありますが、京都といえば『にしんそば』です。あったかい上品な出汁にくるまった蕎麦に、甘辛く煮た身欠きにしんが乗ったにしんそばには、一言では表現できない京都らしさが漂っています。
四方を山に囲まれている京都では、古くから海産物は貴重な食材でした。しかし、新鮮な海産物は輸送に不適なため、干魚などの加工品が多く食されていました。身欠きにしんもその一つです。「身欠き」とは、にしんのさばき方に由来する名で、以前はにしんの腹側の部分を切り落としていたことから「身を欠く=身欠き」と言ったのです。現在は、にしんを三枚におろし、1週間ほど干したのち、倉庫などで1か月程度熟成させるのだそうです。にしんそばには、この身欠きにしんを「棒炊き」といい、甘辛く炊いたものが使われます。
このにしんそば発祥のお店が、『松葉』です。1861(文久1)年の創業といいますから、150年以上の歴史を持つ老舗です。元々は芝居茶屋だったそうですが、1882(明治15)年に、二代目松野与三吉氏が、京都の人々に貴重ななタンパク源として親しまれていた身欠きにしんと蕎麦を合わせることを発想し、にしんそばが誕生したのです。考案されたにしんそばは、まず地元の人々に人気を得て、京都を代表する食べ物となりました。
『総本家にしんそば松葉 本店』は、京阪本線祇園四条駅すぐの場所にあります(北店も近隣にあります)。
1974(昭和49)年に完成したビル(地上5階、地下1階)には、「これぞ、にしんそば」という味を求めて多くの人がやってきます。手入れの行き届いた空間に、ゆったりと落ち着いた雰囲気が漂い、これを体験するのも旅のよき思い出となるに違いありません。
にしんそばは1300円(税抜き、以下同様)、にしんそば(鮭ごはん付)が1500円です。秘伝の製法で炊き上げられた大ぶりの身欠きにしんはやわらかく、骨までもまるごと食べられます。夏にうれしい、冷やしにしんそばは1450円。冷たい出汁にとろろと卵も載っています。
名称 | 総本家にしんそば松葉 本店 |
---|---|
住所 | 京都府京都市東山区四条大橋東入ル川端町192 |
電話 | 075-561-1451 |
営業時間 | 午前11時~午後9時30分(LO.午後9時) |
定休日 | 水曜日(祝日の場合は営業) ※季節により変更あり |
アクセス | 京阪電鉄「祇園四条駅」下車、6番出口より徒歩すぐ(南座横) |
駐車場 | なし〔近隣の京都市鴨東駐車場(有料、京都府京都市東山区川端通四条上る川端町181)など利用のこと〕 |
ホームページ | http://www.sobamatsuba.co.jp/index.html |
その他 | 松葉北店・・・京都府京都市東山区大和大路四条上ル常盤町149-1、営業時間:午前11時~午後9時、定休日月曜日(祝日の場合は営業)/ 松葉京都駅店・・・京都駅2階の新幹線コンコース内(博多方面ホーム下、東京寄り)、営業時間:午前11時~午後9時(LO.午後8時30分)、無休 |
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