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2017年7月25日更新
島根県松江市は、江戸期には松江藩の城下町として発展し、現在も山陰最大の人口を擁する都市です。島根半島と宍道湖・中海に挟まれた地域に広がり、宍道湖から中海に注ぐ大橋川によって市街地は南北に二分されていますが、それゆえに親水性が高く、松江城下の堀川の保存状態も良いことから「水の都」として知られています。
その松江市のシンボルとなっているのが『松江城』です。山陰地方で唯一の現存する天守閣で、天守の平面規模では国内で2番目、高さでは3番目、古さでは5番目になります(国宝・重要文化財建造物目録/文化庁編)。1935(昭和10)年に国宝に指定され、1950(昭和25)年に文化財保護法の制定により一旦は重要文化財とされましたが、2015(平成27)年7月8日、国宝に再指定されました。
『松江城』は松江開府の祖・堀尾吉晴ほりお よしはる)が1607(慶長12)年から5年の歳月をかけ、1611(慶長16)年に完成させ、堀尾3代、京極1代、松平10代の居城でした。標高28mの亀田山(城山)の丘陵上に構築された平山城で、天守がある本丸の周囲に二之丸(上・下ノ段、現在の興雲閣、松江神社付近)、後曲輪がめぐり、南には堀を挟んで三之丸(現在の島根県庁付近)がありました。天守閣を中心とした本丸には武具櫓、鉄砲櫓、祈祷(きとう)櫓など六つの櫓があり、細長い多門塀(たもんぺい)がこれらを連絡していましたが、二之丸や三之丸とともに明治初年に壊されました。このとき、天守閣は、地元の豪農勝部本右衛門や旧松江藩士高城権八ら有志の奔走によって取り壊しをまぬがれたと言われています。
『松江城』の天守閣は、「現存する城の中で唯一の正統天守閣」と説明されることがあります。城が戦いの中でその機能を求められて戦国時代、天守閣は大きな屋根の上に物見台としての櫓を乗せた構造(望楼型)でした。この構造を今に伝えているのが『松江城』なのです。
『松江城』の天守閣の下半分を成す入母屋破風(いりもやはふ)の二重の大屋根(全面下見板張り)は、千鳥が羽を広げたように見えることから別名「千鳥城」と呼ばれる由縁となりました。望楼部と附櫓は一部白漆喰ですが、窓廻りの木部は全て黒塗りで、黒を基調とした天守になっています。黒い色は、煤に漆を混ぜて塗ったものであり、板材が腐らないように防腐剤代わりとなり、冬に降る雪の湿気を防ぐという役割もしているようです。最上階の天守には手すりが巡らされ、360度を展望できる望楼となり、松江市街や宍道湖が一望できます。
松江城山公園は散歩道があり、松や竹林、桜(日本さくら名所100選となっている)や椿、梅などの四季折々の自然が楽しめる憩いの場となっています。
周辺には松江の歴史と文化を紹介している『松江歴史館』(大人510円 小中学生250円/毎月第3木曜日休館)や、名作『知られぬ日本の面影』などによって松江を世界に紹介した小泉八雲の自筆原稿や遺品、妻セツの使った英単語覚え書きなどの収蔵品を展示・紹介する『小泉八雲記念館』(大人400円 小人200円/年中無休)、刀だんすやお歯黒道具をはじめ当時の家具調度品や生活用具などを展示している『武家屋敷』〔2017(平成29)年現在、保存修理工事のため休館中~開館は2018(平成30)年4月を予定〕など、松江の歴史や文化にふれることができる施設があります。
名称 | 松江城 |
---|---|
住所 | 島根県松江市殿町1-5(松江城山管理事務所) |
電話番号 | 0852-21-4030 |
営業時間 | 本丸開館時間…4月1日~9月30日:午前7時~午後7時30分、10月1日~3月31日:午前8時30分~午後5時 / 登閣時間…4月1日~9月30日:午前8時30分~午後6時30分(登閣受付は午後6時まで)、10月1日~3月31日:午前8時30分~午後5時(登閣受付は午後4時30分まで) |
定休日 | 年中無休 |
登閣料 | 大人560円 小人(小・中学生)280円 外国の方280円 ※松江城天守閣、小泉八雲記念館、小泉八雲旧居、松江歴史館などとの共通券あり |
アクセス | JR山陰本線松江駅からレイクラインバス10分 松江城「大手前」下車 / 一畑電鉄松江しんじ湖温泉駅から徒歩20分 / 一畑電鉄松江しんじ湖温泉駅から市営バス(北循環線内回り)5分 県庁前下車徒歩5分 / 松江道路 松江西ICから10分程度 |
駐車場 | 松江城大手前駐車場(有料)小型車66台、大型バスは乗降のみ 山西駐車場(有料)小型車136台、大型車28台 |
ホームページ | http://www.matsue-tourism.or.jp/m_castle/ |
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