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2017年の注目ニュース① 「自動走行システムによる事故」に対応する自動車保険の無料特約がスタート!

2017年4月5日更新

みらい_ニュース2017_1

ロータスクラブの提携企業である東京海上日動火災保険株式会社。その東京海上日動火災が、日本ではじめてとなる「自動走行システムによる事故」に対応する自動車保険の無料特約を2017年4月1日からスタートさせることになった!

自動運転車の事故による
被害者の救済のための特約

東京海上日動火災は2016年の11月、2017年の4月1日からの自動車保険契約に「被害者救済費用等補償特約」を無料で自動セットすることを発表した。
これは、自動運転車で事故を起こしたときに、被害者となった人への損害賠償を迅速に行えるようにすることを目的として開発された特約で、自動運転車関連の保険としては日本初のものとなっている。
東京海上日動火災のホームページにある広報資料から言葉を拾いつつ、その「被害者救済費用等補償特約」の概要を見ていこう。
まずは開発の背景から(一部抜粋)。

〈各種自動走行システムが普及するなか、自動車事故が発生した場合、従来のドライバー(加害者)・被害者といった事故当事者に加え、製造業者やソフトウェア事業者など 賠償義務者が多岐に亘るケースが生じ、責任関係が複雑化する可能性があります。この結果、例えば事故発生当初に「事故原因が分からない」、「誰が責任を負うべきなのか確定しない」といったケースが生じ、事故原因の究明や各関係者の責任の有無および割合の確定などに 一定の時間を要する可能性も想定されます。当社としては、各種自動走行システムが進展する状況においても被害者救済の重要性は不変であると考えており、こうした環境下でも、自動車事故が発生した際には引き続き迅速な被害者救済が図れるよう今般「被害者救済費用等補償特約」を開発することに致しました〉

なかなか固い文章でわかりづらい。平たくいうと、こういうことだ。
自動運転車の事故が起こった場合、その責任がドライバーにあるのか、自動車メーカーにあるのか、はたまた自動運転を制御するソフトウェアを開発した企業にあるのかを明らかにするには相当に時間がかかる可能性がある。
そうなると、その事故で被害を受けた人は、すぐに損害賠償を受けられないことになってしまう。
しかも、長い時間を経たあとに、たとえば企業側に責任があるとわかったとしても、そこから被害者は個人で企業を相手取った訴訟を起こしたうえで賠償金を得るという苦労をしなければいけなくなるケースもでてくる。
つまり、被害者は、「泣きっ面に蜂」となってしまうわけで、東京海上日動火災は、そうした事態を避けるための保険が必要と考えて、「被害者救済費用等補償特約」を開発することになったというのである。
ちなみに、この保険を通して被害者に賠償金が渡ったあとは、ドライバーに責任がないとわかった場合、東京海上日動火災は、自動車メーカー、ソフトウェア会社などに対して賠償請求を行うことになるらしい。

保険金支払い_web

※参考:日本経済新聞2016年11月8日記事



無料で自動セットされる
「被害者救済費用等補償特約」

つぎに、「被害者救済費用等補償特約」の概要(要約)を紹介しよう。
〈①補償内容:ご契約のお車に想定していない動作が生じたことにより事故が生じ、被保険者に法律上の損害賠償責任がないことが認められた場合、被害者に生じた損害を被保険者が負担するために支出する費用を補償します〉
〈②提供方法:当社の自動車保険契約に自動セットします。なお、本特約をセットすることによる 追加保険料はございません〉
〈③提供開始時期:2017 年4月1 日以降始期契約を対象としてご提供します〉
〈④捕捉:なお、今後完全自動走行(レベル4)を見据え更なる運転の自動化が進むことも想定されており、こうした過程における法的責任関係のあり方や自動車保険をめぐる環境変化も注視しつつ、必要に応じて、その社会環境変化に即した商品開発を行ってまいります〉

これは読んで字のごとくである。
①は、保険を契約しているドライバーに違反がない場合に限り、被害者が負担する費用を補償するということをいっている。なお、ドライバーに違反があった場合は、通常どおり賠償責任保険で被害者への補償を行うことになる(前者は特約を使うので保険の等級は下がらないが、後者は等級が下がる)。
②と③は、「被害者救済費用等補償特約」は、2017年4月1日以降に始期契約(補償の開始契約)した東京海上日動火災の自動車保険に自動セットされ、無料であるということをいっている。
④は、この「被害者救済費用等補償特約」が、レベル3までの自動運転車を対象とすると保険であることをいっている。そして、今後、レベル4(完全自動走行)の自動運転車が出現してくるであろうなかで、順次、それに見合った保険を開発することをいっている。

より詳しいことについては、東京海上日動火災の代理店をしているロータス店にお問合せいただきたいのだが、東京海上日動火災の自動車保険を契約している方々は、4月1日以降に契約更新をすると、全員、いつでも「自動運転車」をより安心して運転できるポテンシャルがもてるようになるのである。すばらしい!
自動運転車のことをずうっと先の未来のクルマだと思っていたら、いつのまにかすごく身近なものとなりつつある。今回のこの保険のニュースは、そんな感覚をわれわれにもたらしてくれている。

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