偉大な作家の精神を感じる「司馬遼太郎記念館」

2024年11月7日更新

『竜馬がゆく』、『坂の上の雲』、『燃えよ剣』など多数の名著を世に送り出した、歴史小説の大家・司馬遼太郎。1996（平成8）年に急逝しましたが、熱心なファンは数多く、生誕100年を迎えた2023（令和5）年8月には、各地で記念行事が開かれました。

「司馬遼太郎記念館」は、2001（平成13）年、大阪府東大阪市の住宅街に建てられました。終生、出身地の大阪府を離れることがなかった司馬遼太郎が、晩年までの32年間を暮らした旧邸に隣接しています。

記念館と庭を設計したのは、世界的な建築家・安藤忠雄氏です。1階のロビーには、記念館の100分の1スケールの模型が展示されています。

司馬遼太郎は、新しい作品を書くに当たり、かなりの量の資料を集めることで知られ、古書店からトラック1台に積載された書物を買い付けたという話もあります。ロビーに設置されているスクリーンでは、こうして収集した膨大な蔵書が自宅に置かれている様子を映像で紹介しています。

そして、記念館の一番の見どころとも言えるのが、地下1階の「大書架」。司馬遼太郎が集めた約6万冊の蔵書をイメージした約2万冊が、高さ11mの書棚に収められています。迫力満点の光景に、つい写真などを撮りたくなりますが、館内での撮影はNGです。

大書架のある部屋には、来館者が自分の思いを自由に書ける「対話ノート」が置かれています。読んでみると、それぞれが司馬遼太郎の作品に関連して、いろいろな経験をしていることが分かります。

1階には、書籍やオリジナルグッズの販売コーナーも。本を購入して、同じフロアのカフェで読書を楽しむのも良さそうです。

回廊入口

記念館の外には、雑木林をイメージした緑豊かな庭があり、司馬遼太郎が1986（昭和61）年に書いた「ふりむけば又咲いている花三千仏三千」の歌碑が置かれています。また、庭の小道からは、隣接の旧邸内に手つかずで残されている司馬遼太郎の書斎の様子を見ることができます。

書斎前

詳細情報

名称	司馬遼太郎記念館
住所	大阪府東大阪市下小阪3丁目11－18
電話	06-6726-3860
開館時間	午前10時～午後5時（入館受付は午後4時30分まで）
休館日	月曜（祝日・振替休日の場合は翌日）、年末年始（12月28日～1月4日）、特別資料整理期間（9月1日～10日）
入館料	大人800円、中・高生400円、小学生300円
駐車場	5台（うち身障者用1台）
アクセス	阪神高速東大阪線高井戸ICから約15分、近畿自動車道東大阪北ICから約15分
ホームページ	https://www.shibazaidan.or.jp/