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第5回 SDGs 氷上電気カート競技会「ERK on ICE」レポート―レースとして洗練され、さらに面白く、スリリングになった!

2024年10月10日更新

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日本EVクラブが主催する第5回 氷上電気カート競技会「ERK on ICE」が、9月23日(月・祝)、新横浜スケートセンターで開催された。

ERKとは、Electric Racing Kartの略で、訳せば電気レーシングカートとなる。そのERKを、モータースポーツとは縁がなかったアイススケートリンクに持ち込んで、新しいインドア・モータースポーツを創出しようという試みが「ERK on ICE」なのである。

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日本EVクラブのリーフレットには、「今年も楽しく氷の上でERK を走らせましょう!! 」と題した舘内端代表の次のようなメッセージが掲載されている。

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日本EVクラブ 舘内端代表


〈氷の上を走るマシンは、ドライ路面なら時速100キロは軽く出る高性能の電気レーシングカート=ERK です。電気だからうるさい排気音も、くさい排ガスもなく、エンジンカートのようにエンストの心配もありません。ERK(=Electric Racing Kart )はイージー&高性能だから簡単にドリフトができるのです。そして、このEVからの最高の贈り物は、走行中に地球温暖化=気候変動の原因物質のCO2を出しません。さあ、地球にやさしいERKで涼しいサーキットをドリドリして楽しみましょう。〉

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第5回 氷上電気カート競技会「ERK on ICE」参加者の皆さん



「ERK on ICE」は、2019年7月13日にプレゼンテーションイベントが開催されて以降、毎回レースのルールや運営手法に手が入れられ進化してきた。今回もさらにいくつかの修正や変更が加えられていたが、全体的に言えば、レースとしてよりシンプルに洗練され、さらに面白く、スリリングになっていた。

実施された競技は、「ビギナークラス」全7レース(参加者枠28名)、「エキスパートクラス」全7レース(参加者枠28名)、「オーナーズクラス」2レース制(実際の参加:6チーム、12名)という設定で、ビギナークラスとエキスパートクラスの参加者は事前にオンラインで公募された。オーナーズクラスは、競技に車両を提供するERKオーナーのチームによるクラスである。

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ロータスタウンでは、「ERK on ICE」をより多くの方々に知っていただき、その魅力を感じていただくためには動画が適していると考え、昨年の第4回からビデオカメラをメインにした取材を行っている。

以下に、「ビギナークラス」「エキスパートクラス」「オーナーズクラス」それぞれの競技内容を紹介する動画を掲載するので、ぜひ視聴してこの新しいインドア・モータースポーツの魅力にふれていただきたい。

●ビギナークラス
・カートの運転未経験者、もしくはカートの運転に自信がない人のクラス。
・1レースにつき4台のERKが出走。コースの手前側とその反対側に設けたスターティンググリッドから同時にスタートするパシュートスタートを採用。
・スケートリンクの1周約100mのオーバルコースを2周して勝敗を決定するレース。



●エキスパートクラス
・公式カートレースの出場経験者や各種モータースポーツ競技出場経験者のクラス。
・1レースにつき4台のERKが出走。前列2台・後列2台のスターティンググリッドから同時にスタート。
・スケートリンクの1周約100mのオーバルコースを3周して勝敗を決定するレース。



●オーナーズクラス
・競技に車両を提供するERKオーナーのチームによるレース。
・各チーム2名のドライバーを選出。
・各チームの第1ドライバーによる第1レースと第2ドライバーによる第2レースの2レースを実施。
・レースごとに順位に応じたポイントが各チームに与えられる。
・2レースの獲得ポイント数を合計して最もポイントが多いチームを勝者とする。
《順位によるポイント ※各レースごと》
1位:10pt 2位:6pt 3位:4pt 4位:3pt 5位:2pt 6位:1pt
・1レースにつき参加する全チームのERKが出走。各列2台ごと複数列が設けられたスターティンググリッドから同時にスタート。
・スケートリンクの1周約100mのオーバルコースを5周するレース。



それぞれのクラスのレースでの勝者は以下の通り。(いずれも、敬称略)

●ビギナークラス(写真左からAグループ→Gグループ)
Aグループ 二瓶 栄次
Bグループ 清水 優
Cグループ 岡部 智仁
Dグループ 小池 豊和
Eグループ 大場 恭弘
Fグループ 中島 彰
Gグループ 木村 啓人

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●エキスパートクラス(写真左からAグループ→Gグループ)
Aグループ 寺田 大
Bグループ 山本 幸宏
Cグループ 木村 順
Dグループ 木村 啓人
Eグループ 大矢 卓
Fグループ 大塚 薫
Gグループ 田中 利緒

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●オーナーズクラス
Team Pn LAB(三井 優介/及川 紗利亜)

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今回の「ERK on ICE」を取材して、レースとして十分に熟成されたという所感を持った。

また、3つのクラスにおいて、それぞれの狙いがはっきり見えていた。ビギナークラスはカートの運転未経験者やカートの運転に自信がない人に氷上でのERK体験の魅力を伝え、エキスパートクラスは公式カートレースの出場経験者や各種モータースポーツ競技出場経験者たちに異次元のモータースポーツを提案することに成功していた。そして、オーナーズクラスでは、今後ERKチームが増加したときに、1段階上の競技に発展させていくトライアルが行われたように感じた。

だからこそ、「参加して楽しむ」人たちの増加はもちろんだが、「観て楽しむ」人たちの増加を願ってやまない。来年も、「ERK on ICE」が新横浜スケートセンターで開催されるだろうが、そのスケートリンクが今年を大きく上回る歓声と拍手に包まれることを期待したい。

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