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いわき市の塩屋岬に立つ“のぼれる灯台”「塩屋埼灯台」

2024年10月24日更新

海に向かって光を放ち、船舶の安全な航行を守っている灯台。日本全国には、3118基の灯台があります。その中で、内部の階段を上がって参観できる「のぼれる灯台」(参観灯台)は、たったの16基。かなり貴重な存在です。

福島県いわき市の塩屋岬の高台に立つ「塩屋埼灯台」は、その中の一つ。青い海と空に映える白亜の灯台は、一般の人たちの投票による「日本の灯台50選」に選ばれています。

初点灯は、1899(明治32年)年。地上から頂部まで約27mあり、当時は日本一の高さを誇っていました。

塩屋埼灯台 塩屋埼灯台①

2011(平成23)年3月に発生した東日本大震災によって、灯台やその周辺が破損し、消灯。修理をして9か月後に再点灯し、以前と変わらず、約41㎞先の沖合まで照らせるようになります。2014(平成26)年2月には、一般参観も再開されました。

塩屋崎灯台(しおやさき)

高台にある塩屋埼灯台へは、駐車場から階段を上って向かいます。さらに灯台内に設置された103段の階段を上って最上階へ。上った先では、海風に吹かれながら、雄大な太平洋を望む絶景を堪能することができます。ただ手すりが低めなので、風が強い日などは、注意してください。

灯台踊場から灯台下を望む

灯台から太平洋の望む眺望

灯台には「塩屋埼灯台資料展示室」が併設。灯台の仕組みのほか、震災での被害状況を含めた塩屋埼灯台の歴史などがよく分かる、さまざまな資料や写真が展示されています。2019(令和1)年の「点灯120周年」を記念し、漫画家・松本零士氏が描いて寄贈したイラストも見ることができます。

塩屋埼灯台 塩屋埼展示室2

塩屋埼灯台 塩屋埼展示室1

塩屋埼灯台は、映画や歌に深く関わったことでも知られています。1957(昭和32)年に公開された映画『喜びも悲しみも幾歳月(いくとしつき)』は、当時の塩屋埼灯台長の妻の手記を基に制作され、大ヒットしました。

歌手・美空ひばりが歌った『みだれ髪』の歌詞は、塩屋岬が舞台となっています。灯台のふもとには、これを記念した歌碑や遺影碑が立てられていて、近づくと、センサーが反応して美空ひばりの歌声が流れます。

『みだれ髪』歌碑・遺影碑

『みだれ髪』歌碑・遺影碑



灯台と美空ひばり歌碑(みだれ髪)

美空ひばり歌碑(みだれ髪)



海の道しるべとして、重要な役割を担っている塩屋埼灯台。訪れて実際に上ってみると、その役割より深く知るとともに、さまざまな感慨がわいてきそうです。

詳細情報

名称 塩屋埼灯台
住所 福島県いわき市平薄磯宿崎34
電話 0246-39-3924(燈光会 塩屋埼支所)
参観中止日 強風などの悪天候日
参観時間 午前9時~午後4時(入場は午後3時30分まで) ※3月~9月の土日・祝祭日、4月29日~5月5日、8月10日~19日については午前9時~午後4時30分(入場は午後4時まで)
参観寄付金 中学生以上300円 小学生以下無料
駐車場 50台
アクセス 常磐自動車道いわき中央ICから約30分
ホームページ https://www.tokokai.org/tourlight/tourlight02/
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