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ALL JAPAN EV-GP SERIES 2024 第4戦レポート(前編)―750kWの大パワー炸裂。モデルSプラッドのKIMI選手が楽々とポールをゲット!

2024年8月28日更新

EV-GP 2024 Rd.4 1-1

ALL JAPAN EV-GP SERIESは、モーター出力数と車両タイプでクラス分けされた車両が混走するレース。

毎戦、その中でクラス順位と総合順位が争われている。

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総合順位の争いにおいては、モーター出力が大きければ大きいほど有利になる傾向がある。

8月10日にモビリティリゾートもてぎで開催された第4戦の「全日本もてぎEV60㎞レース大会」の予選も、ほぼモーター出力の大きさでタイムと番手が決まった。

特に上位3台で、その傾向は顕著だった。

KIMI選手の750kWのテスラ モデルSプラッド、TAKAさん選手の360kWのテスラ モデル3パフォーマンス、モンド スミオ選手の202kWのテスラ モデル3 RWD。それぞれのパワーの差は極めて大きく、それがそのままタイムの差、そして順位に表れた。

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レースを主催するJEVRA(日本電気自動車レース協会)の富沢久哉事務局長は、これを受けて次のように語っている。

「高速コースのもてぎはパワーレースの場。予選が行われる前から上位はタイムが開いた状態で750kW、360kW、202kWの出力順になるのは火を見るより明らかだった。おそらく決勝も、よほどのことがない限り1-2-3位はこの出力順でフィニッシュすることになるだろう」

パワーの差は
雨なら埋められるが……

この“動かしがたい現実”を前にしながら、ドライバーたちは決勝をどう戦おうとしているのか?

上位3名に予選の手応えと決勝への意気込みを聞いた。

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750kWの出力を誇るモデルSプラッドで2分02秒760のトップタイムを叩き出したKIMI選手(#23 GULF RACING)。今戦も大出力を生かした優勝をほぼ確信しているようで、発するコメントも余裕綽々だった。

「第3戦まではノーマルのままで走っていたが、今回はブレーキをレース仕様に変えてきた。予選では確かによく止まってくれた。ただ、僕が2箇所でブレーキタイミングを誤り、タイムをロスしてしまった。あれがなければ2分を切れていただろう……。決勝ではこのポテンシャルを生かしてしっかり優勝し、年間総合チャンピオンを確実なものとしたい。その中で、2番手のTAKAさん選手と楽しくトップ争いができれば何よりと思っている」

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2分15秒901で2番手となったのは、360kWのモデル3パフォーマンスで久々に参戦したTAKAさん選手(#42 スエヒロ自動車商会)。今季は全戦不参戦のつもりだったところ、KIMI選手から「楽しいトップ争いがしたいからレースに出て」と請われて一時復帰したとのこと。

とはいえ、車両はカラーリングもシートも足周りもすべてノーマルの乗用車状態。本気で勝ちにいく態勢ではなかった。

「レース仕様じゃない上に、モーター出力がプラッドの半分。予選でKIMI選手に13秒も離されたのは、その戦闘力のなさを証明している。決勝では、もしも雨ならワンチャンいいトップ争いが披露できたかもしれないけれど、降らなさそうだから、どうもそれも無理っぽい。なので、あまり期待しないで観戦してほしい(笑)」

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2分22秒835で3番手となったのは、202kWのモデル3 RWDを駆るモンド スミオ選手(#55 モンドコーヒー)。

EV-2クラスでの参戦ながら、ここ2戦は続けて総合3位をゲット。年間総合順位でも2位のポジションにつけている。今戦は、ブレーキとタイヤをレース仕様にし、さらなる走りの向上を図ってきていた。態勢は万全といったところだが、本人は「優勝を狙うにはパワーが足りない」との自覚をはっきり持っていた。

「予選では、新しい足周りのコントロールが難しかったが、コーナーごとにスピードが増している感はあり、もう一つ上のレベルで走ることができていると確信した。実際、タイムは第1戦のもてぎのときよりも3秒も縮んだ。とはいえ、決勝でパワーの大きい上位2台を抜くのは難しいだろう。できるとすれば、あまり離されずに走り切ることかな」

真夏の決勝レースは、やはり、あまりヒートアップしないまま終わるのか!?

EV-GP 2024 Rd.4 1-10

ALL JAPAN EV-GP SERIES 2024 第4戦レポート

(前編)750kWの大パワー炸裂。モデルSプラッドのKIMI選手が楽々とポールをゲット!

(後編)TAKAさん選手がホールショットも、KIMI選手があっさりまくって悠々たる4連勝!

(付編)クラス1-2フィニッシュを果たしたMKproject。その楽しくも熱い走りに刮目せよ!

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