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ALL JAPAN EV-GP SERIES 2024 第2戦レポート(前編)―予選のタイム争いは、プラッドのKIMI選手がレベチの速さでポールを獲得!

2024年5月15日更新

EV-GP 2024 Rd.2 1-1

新しいドライバー、新しいクルマ、新しいチーム、そして未曽有のレース展開。

曇天の4月27日(土)、筑波サーキットで開催されたALL JAPAN EV-GP SERIES 2024 第2戦「全日本 筑波 EV55㎞レース大会」は注目の初参戦がめじろ押し。想像を超えた劇的なトップ争いも加わり、大いに盛り上がりを見せた。

“筑波1分切り”間近のタイム

午前11時から全15台で争われた予選。EV-1クラス(モーター出力250kW以上)にエントリーした「筑波1分切り」の実力を持つテスラ モデルSプラッドの2台が異次元の速さを見せつけた。

開始早々にコースインしたKIMI選手(#35 GULF RACING)は、他の車両で混み合う中で1分2秒418のトップタイムを記録。その後すぐにピットインし、ライバル余郷敦選手(#100 Team TAISAN)の出方を待つ。

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余郷選手はコースが空くのを待って残り数分のタイミングでコースイン。高い集中力を持ってタイムアタック。わずか2周目で筑波におけるEVレースの最速タイム1分01秒308を刻み、KIMI選手を上回る。

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それを見たKIMI選手はすかさず再度のコースイン。クリアとなったコースを全力で疾走。最後の一発で1分00秒995という1分切り間近のタイムを叩き出し、最速タイムをさらに更新。

異次元のタイム争いはKIMI選手に軍配。KIMI選手は開幕から2戦連続のポールポジション獲得となった。

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ただ、すごいのはプラッドだけではなかった。

昨シーズンまで最速を誇ったテスラ モデル3パフォーマンス勢(EV-1クラス)もさすがの走りを見せた。

かつての年間総合チャンピオン地頭所光選手(#0 Team TAISAN)は1分01秒804というプラッド勢に肉薄するタイムで3番手につけた。また、今戦が初参戦となったドリフトキングこと土屋圭市選手(#1 TeamTAISAN)は初EVレースにもかかわらず1分03秒123の好タイムを出し4番手につけた。

筑波サーキットは比較的ストレートが短くコーナーが多いコース。レース展開とドライビング次第では500馬力のモデル3勢にも大いに勝つチャンスありと思わせた。

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混戦かワンサイドか

決勝前、上位4名のドライバーに予選の手応えと決勝への意気込みを聞いた。

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ポールポジション獲得となったKIMI選手は「前回の予選は抑え気味だったが今回の予選は全開で走った」と言いつつ次のように語った。

「全開で走るとノーマルのエアサスペンションがぐにゃぐにゃして、非常に走りにくかった。ただ、決勝ではバッテリーの持ちを考えて、7割のアクセル踏み加減で走るから、きっとそんな悩みも減るはず。できれば2連勝を狙いたい」

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2番手の余郷選手は、今回がモデルSプラッドでの初レース。「速すぎて怖かった」と苦笑しながら、勝利への決意を語った。

「このクルマ、前戦は早々に熱ダレして戦闘力を失ったが、それはすでに改善されている。僕がプラッドの異次元の速さに慣れさえすれば、きっといい勝負ができる。頑張って優勝を狙いたい」

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3番手の地頭所選手は、今季初レース。「今戦はTeam TAISANの千葉常泰代表が不在なため、僕がレーサーと現場監督の両方を兼ねることになった」とチーム事情を明かしつつ、決勝で敢行しようとする作戦を教えてくれた。

「チームは余郷選手に2年連続の年間総合チャンピオンを獲らせたい考えを持っている。なので、決勝は余郷選手が早い段階でKIMI選手の前に出て、僕がそれを全力でサポートする形に持っていきたい。今回、自分の勝利は二の次になると思う」

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4番手の土屋選手は、モデル3での初のタイムアタックについて「車重1900㎏のモデル3は、ボトムスピードでの コーナリングはクリップまではそこそこいけるが、その後がやっぱり重かった。あとブレーキがONかOFFかのガッコンブレーキで、理想のブレーキコントロールがなかなかできない悩みもあった。こうした特性がわかって走っていれば、あとコンマ5秒は縮められたかなと思う」と冷静に分析しつつ、決勝でどう戦うかを語ってくれた。

「チームからは『決勝はアクセル50%ぐらいで走れ』と言われている。だけど、何をどうすれば50%になるのかがまったくわかっていない(苦笑)。だから、序盤は周りを見ながら走る感じになると思う。そこから感覚をつかんで自分なりの走りをし、最後は表彰台を目指したい」

漂う混戦必至の予感。

レースを主催するJEVRA(日本電気自動車レース協会)の富沢久哉事務局長は、しかし、こんなワンサイドの予想を語ってくれた。

「予選ではモデル3もいい線いったが、やはりプラッドの強さが際立った。特にグリップのいい21インチタイヤを履いているKIMI選手のプラッドの速さは尋常ではなかった。ノーマルのエアサスがぐにゃぐにゃするらしいが、決勝もあのタイヤがあればなんとかなるだろう。よほどのことがない限り、KIMI選手が勝つような気がする」

結果やいかに!?

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ALL JAPAN EV-GP SERIES 2024 第2戦レポート

(前編)予選のタイム争いは、プラッドのKIMI選手がレベチの速さでポールを獲得!

(後編)スタートで大失敗も、KIMI選手が全開ごぼう抜きで2戦連続のWin!

(付編)EVレースがより面白く華やかに。時代の風に乗ったニューカマーが続々参戦!

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