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みらいのくるまの「ただいまのところ」情報
2024年2月27日更新
株式会社電力シェアリング(東京都・品川区、以下電力シェアリング)は、電力関連のスタートアップ企業。
「電力システムの安定化と脱炭素化」「シェア・循環社会の形成」「EVの持続的普及」というコーポレート・ビジョンを掲げて、その実現のために専門的な知識とデジタルな技術を駆使した、斬新な提案を行ってきている。
たとえば、最近ではEVへの「昼充電」を推進する活動を立ち上げ、EVオーナーやEV関係者を驚かせている。
その電力シェアリングの事業や活動の先頭に立っているのが、CEOの酒井直樹さんだ。
インタビューの序盤は、以前は東京電力の社員だった酒井さんが電力シェアリングを立ち上げるまでの歩みなどをうかがった。
遠くに行きたがる子
——まず、酒井さんの人となりから教えてください。プロフィールを拝見すると、1987年に東京大学を卒業して東京電力に勤められ、途中96年からシカゴ大学に留学し、2000年からはアジア開発銀行のマニラ本店に転籍したとあります。実に輝かしいキャリアです。酒井さんは、幼いときからエリートコースまっしぐらの、いわゆる「できる子」だったのですか?
酒井 いやいや。私は1963年に神奈川県の川崎市で生まれ、ものごころついてからは横浜市で育ったんですが、当時は周囲に自然やら農地などが残っていて、そんな中を駆け回っていました。それで、高校までずっと公立に通い、東大も一浪して入っています。そこそこ勉強はできたけど、「やんちゃな子」でしたよ。
——やんちゃ……だった!?
酒井 はい。妙に冒険心があって、幼いときから一人であちこち遠出してました。小学生のときには好きな電車を見に岩手まで行きましたし、大学生のときは数カ月にわたる海外放浪もやりました。とにかく、ここではないどこか遠くに行くのがすごく好きだったんです。ですから、東電時代のシカゴ大学留学、そしてアジア開発銀行への転籍は、多少能力が認められた部分はあったにせよ、そうした志向が強く働いた結果といえるんです。
再エネとSDGsの最前線
——アジア開発銀行には2000年から17年まで在籍されています。どんな仕事をされたのですか?
酒井 私は主に南アジアにおけるプロジェクトファイナンスを担当していました。その中での一番大きな仕事は、インドのグジャラート州の砂漠に、世界最大規模といえる50万kWの太陽光発電所をつくるプロジェクトでした。これは自分としても自慢できる仕事だと思っています。それから、やはりインドですが、無電化村における分散型エネルギーを利用したマイクログリッドの構築なども、思い出深い経験でした。
——再生可能エネルギーを中心とした発電関係のプロジェクトに多く関わられたのですね。
酒井 振り返ってみると、そうですね。ただ、後半は、国連の気候変動に関する事業にも関わるようになり、その延長線上で立ち上がったばかりのSDGsのプログラムに関する仕事もやりました。世界をいい方向に導くという意味で、これもかなりやりがいはありましたね。
——なるほど。グローバルな社会貢献の最前線で活躍され、充実した日々を送られていたわけですね。ところが一転、2017年にそのアジア開発銀行を辞し、同時に東電も辞められている。そして、その後すぐに電力シェアリングという会社を立ち上げられた。こうなった経緯は?
酒井 当時、日本では電力のデジタル化が進み、地球環境に優しい再生可能エネルギーのP2P取引も動き出す気配がありました。ならば、私のキャリアが今後の新しいエネルギー社会に役立つかもしれない……そんな思いを持ちました。そこで、分散型電力システムやマイクログリッドなどによって、日本型のシェア経済をけん引する会社を自分で立ち上げることにしたんです。ほとんど誰もやっていない事業領域なので、周りからは無謀だといわれたりしましたが、なんとかなるだろうと一歩踏み出しました。いうなれば、これも「ここではないどこか遠くへ」という私なりの冒険だったわけです(笑)。
EVキーマンに聞く/電力シェアリングCEO 酒井直樹さん
①「冒険心があったお陰で、世界最大のメガソーラーづくりに関われました」
②「EVへの充電を夜から昼に変えれば、CO2の排出量が半分にできるんです」
③「EV+太陽光パネル+蓄電池で、居ながらにして儲けられる時代がやってきます」
酒井直樹(さかい・なおき)
1963年神奈川県生まれ。1987年に東京大学経済学部を卒業し、東京電力株式会社に入社、人事部にて人事戦略策定を担当。1996年から2年間シカゴ大学経営大学院に留学しMBAを取得。2000年にアジア開発銀行(本店:マニラ)に転籍し、2017年までアジアの発展途上国向けのインフラファイナンスを手掛ける。2017年同行を退職し、2人のチームメンバーとともに株式会社電力シェアリングを起業。電力に関するアドバイザリーサービスなどを展開している。
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