ロータスクラブが運営するクルマとあなたを繋ぐ街「ロータスタウン」

みらいのくるまの「ただいまのところ」情報

ALL JAPAN EV-GP SERIES 2023 第1戦 レポート(1)―TAKAさん選手、久々ながらも貫禄のポールポジション!

2023年11月8日更新

2023 All JAPAN EV-GP SERIES ROUND1 1-1

今年で14シーズン目となるALL JAPAN EV-GP SERIES 2023(全日本電気自動車グランプリシリーズ 2023)の第1戦「全日本筑波EV55㎞レース大会」が、4月22日(土)、茨城県の筑波サーキットで開催された。

今シーズンの総合優勝の行方を占う初戦。レースの興味は、これまで絶対的な強さを誇ってきたTEAM TAISAN(以下、TAISAN)のテスラ モデル3を、スエヒロ自動車商会(以下、スエヒロ)のモデル3が打ち負かすかどうかに絞られていた。

TAISANのドライバーラインナップには2018-2021シーズンの総合チャンピオンに輝いた地頭所光選手の名はないが、昨シーズン途中から参戦し2022シーズン第4戦(SUGO)で勝利している余郷敦選手が第一ドライバーとして控えている。片やスエヒロのドライバーには、2020-2021シーズン連続総合2位の成績を残したTAKAさん選手が久々の復活を果たしていた。

これをどう見るべきか。

「第1戦はスエヒロのTAKAさん選手が優勝する可能性がかなり高い」

こう語った、同シリーズを主催しているJEVRA(JAPAN ELECTRIC VEHICLE RACE ASSOCIATION=日本電気自動車レース協会)の事務局長・富沢久哉氏は、TAKAさん選手がEVレースのキャリアと実績をより多く積んでいる点が有利に働くと見ていた。

果たして結果はいかに。

タイヤの擦過音だけが響くクリーンで静かな高速EVレースは、熱くざわざわした思惑・期待が渦巻く中ではじまった。

復活のTAKAさん
好タイムでポール

スエヒロのTAKAさん選手は、昨シーズンの第3戦前に自身が駆るモデル3が原因不明のバッテリー性能ダウンに見舞われ、以降の参戦を取りやめている。

今シーズン、同じ車両でフル参戦を決めたのは、修理に出す目的でモードを元に戻したら、なぜかバッテリー性能がほぼ回復するという僥倖に恵まれたから。突然の性能低下は致命的なものではなく、単にシステムのバグだった可能性が考えられた。

「これなら十分に戦える」

気をよくしたTAKAさん選手は、かくして再度の参戦に至ったのである。

午前11時25分から行われた予選でのタイムアタックは、長いブランクを経てのトライであったが、TAKAさん選手はそれを感じさせない速さを見せつけた。

1分02秒474。昨シーズンに出したタイムを1秒近く縮めてポールポジション獲得となった。

予選後、本人は「もう少しタイムを縮めたかった」と、あまり喜ぶそぶりも見せず淡々と語っていた。だが、どう見ても車両、ドライビングともに絶好調。この時点で、TAISANを倒しての優勝の確率は相当高いものとなっていた。

2023 All JAPAN EV-GP SERIES ROUND1 1-2

2023 All JAPAN EV-GP SERIES ROUND1 1-3

アニー@ニキ選手
兄弟1-2を狙う!?

続く2番手は、やはりスエヒロのアニー@ニキ選手。

昨シーズン、弟であるTAKAさん選手のシーズンリタイアの後、チームそのものの活動が停止したことで自身もリタイアを余儀なくされたが、今回の予選では弟同様にブランクを感じさせないドライビングを見せ、トップタイムに0.37秒差という好タイムを叩き出した。

予選後「まだ初戦。決勝ではTAISANの余郷選手の出方を見ながら走って、その中でいい結果が出るよう努めたい。総合的には楽しくレースできればなによりかな」と柔和に語っていた。だが、彼方を見やる目は鋭く光り、兄弟ワンツーフィニッシュを果たし、チームの完全勝利を虎視眈々と狙う意思がはっきりと読み取れた。

2023 All JAPAN EV-GP SERIES ROUND1 1-4

2023 All JAPAN EV-GP SERIES ROUND1 1-5

TAISAN余郷選手
不本意な3番手

王者TAISANの余郷選手の予選はどうだったのか。

トップとは0.6秒差、2番手とは0.023秒差で3番手にとどまった。

昨年悩まされたコーナー出口立ち上がりからの加速不足が改善したようで、元プロらしい美しく鋭いコーナリングを見せていたが、ライバルであるスエヒロの2台にはわずかに及ばなかった。

「3番手は残念。もうちょっといけると思っていた。決勝の意気込みは……(TAISANのドライバーとして)優勝を狙うというしかない。前の2台の様子を見つつ果敢に攻めていきたい」

この日は、チームからもう1人のドライバーが参戦する予定だったが、車両アクシデントで欠場していた。王者TAISANのプライドとプレッシャーは余郷選手1人が背負う形となり、本人もそのことを相当意識している様子であった。

2023 All JAPAN EV-GP SERIES ROUND1 1-6

2023 All JAPAN EV-GP SERIES ROUND1 1-7

結局、夕刻に行われる決勝のスターティンググリッドの最前列は、鮮やかな緑がまぶしいスエヒロのモデル3の2台が占めることに。

これは初の光景。

サーキットには、絶対的王者TAISAN危うしの予感と、スエヒロの兄弟ワンツーフィニッシュへの期待が色濃く漂いはじめていた――。

2023 All JAPAN EV-GP SERIES ROUND1 1-8

ALL JAPAN EV-GP SERIES 2023 第1戦 レポート

(1)TAKAさん選手、久々ながらも貫禄のポールポジション!

(2)新王者へまっしぐら。TAKAさん選手がポールトゥウィンで優勝!

  • ロータスカードWeb入会
  • ロータスカードWeb入会
  • 店舗検索
  • 店舗検索
  • 楽ノリレンタカー
  • 楽ノリレンタカー

あわせて読みたい

  • JEVRAに聞いた「EVレースの楽しみ方」(中編)ウサギかカメか。市販EVは限界競争の中で進化してゆく!

    みらいのくるまの「ただいまのところ」情報

    JEVRAに聞いた「EVレースの楽しみ方…

    JEVRA(日本電気自動車レース協会:JapanElectricVehicleRaceAssociation)の事務局長を務めている富沢久哉氏。氏は、い…

    2020.05.22更新

  • 次世代エコカー勉強会〈2時限目〉電気自動車はエコなうえに、走りもすごい!

    みらいのくるまの「ただいまのところ」情報

    次世代エコカー勉強会〈2時限目〉電気自動…

    『次世代エコカー勉強会』は未来のクルマや新しいカーライフを研究するコーナー。2時限目は「電気自動車(EV)」にスポットを当てる。まずは、一見シンプルなようで、…

    2016.03.04更新

  • 【ルポ】東京理科大で開発が進む、超コンビニエンスな燃料電池車〈前編〉

    みらいのくるまの「ただいまのところ」情報

    【ルポ】東京理科大で開発が進む、超コンビ…

    コンビニエンスストアで水素の素が買えるようになる!?次世代エコカーの代表といえば電気自動車と燃料電池車だが、普及の可能性においては、いまのところ電気自動車の…

    2016.09.16更新

  • eKクロスEVの魅力②「室内の未来感はほどほど。でも、使いやすさと心地よさは抜群」…まるも亜希子(カーライフジャーナリスト)

    みらいのくるまの「ただいまのところ」情報

    eKクロスEVの魅力②「室内の未来感はほ…

    カーライフジャーナリストのまるも亜希子さんに、eKクロスEVの魅力を徹底解説してもらうこのインタビュー。パート2のテーマは、内装や室内空間について。まるもさんの…

    2022.08.09更新

  • 次世代エコカー勉強会〈17時限目〉SDGsと自動車産業―日本の自動車メーカーの取り組み(後編)

    みらいのくるまの「ただいまのところ」情報

    次世代エコカー勉強会〈17時限目〉SDG…

    一般社団法人日本自動車工業会が発行する広報誌『jamagazine(ジャマガジン)』2022年2月号に掲載された、「加速する日本の自動車メーカーによるSDGsの…

    2022.02.24更新

  • 契約台数100万台突破!ドライブエージェント パーソナルの実力と魅力(前編)―通信できるドラレコと2人のオペレーターで「1分、1秒を削る緊急対応」が可能に!

    みらいのくるまの「ただいまのところ」情報

    契約台数100万台突破!ドライブエージェ…

    交通事故でケガをして気を失ったとしても、通信機能のあるドライブレコーダーを通して事故受付センターがその状況を察知し、代わりに救急車を呼んでくれる――。東京海上…

    2023.08.17更新

< 前のページへ戻る