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クルマのトラブル「もしも」マニュアル

Vol.81(前編)ずっとゴールド免許だったのに、たった一度の軽微な違反でブルー免許に!

2023年3月14日更新

もしも_ゴールド免許_1-1

【今回のやっちゃったストーリー】

郊外に住むXさん(38歳・主婦)は、ある夜、2人の子ども(10歳男子と7歳女子)をクルマの後部座席に乗せ、ショッピングセンターへの買い物プチドライブの帰路にあった。

自宅までの経路の半分くらいを走ったころ、2人の子どもが車内で「アイスクリームが食べたい!」と騒ぎ出した。最初は「お家に帰ったら冷蔵庫にあるから……」と言っていたXさんだったが、子どもたちの声におされて「仕方ないわねぇ」と折れることに。

と、そのとき、間近に迫った交差点を左折した先にコンビニがあることを発見。第二車線を走っていたXさんは、「カチカチ」と短くウインカーを出すとすばやく車線変更して第一車線に入り、交差点を左折した。

すると、背後から「ウ~、ウ~」というサイレン音が響き、いきなり白バイに停止を求められた。バイクを降りて運転席に近づいてきた警官は、作り笑顔でこう言った。

「先ほど、交差点を左折する前に車線変更をしましたね。あそこは黄色の車線だって気付きませんでしたか?進路変更禁止違反になります。減点1点で、反則金も6000円です」

えええ、私が交通違反!?

Xさんは必死に言い訳した。

「私、ちゃんとすべきことをやって車線変更したと思います。それに、ギリギリだったかもしれませんけど車線も白だったように思うんですけど……。とにかく今後は気を付けます。今回はなんとか見逃してもらえませんか?」

だが、警官は笑顔を貼り付けたまま、きっちり白い切符を切った。さらにその後、こんな恐ろしいことを口にした。

「このゴールド免許は、次の更新のときはブルー免許になってしまいますね」

えええ、こんな軽微な違反でブルー免許になっちゃうの!?

Xさんは26歳のときからずっとゴールド免許だった。子育てをしながらの生活で運転機会も多い中、ゴールド免許でいることはちょっとした自慢だった。

それにメリットもある。ゴールド免許の保有者なら、更新期間が3年ではなく5年と長くなり、更新場所も遠くの免許センターだけではなく、比較的近い警察署でもOKとなるのがとてもありがたかった。だけど、今度の更新でブルー免許となれば、その恩恵がなくなってしまう……。

切符を切られた後、Xさんはとりあえずコンビニまで走って子どもたち用と自分用のアイスクリームを買った。チョコアイスを選んだ2人の子どもたちは「美味しいね」と満面の笑顔。でも、バニラアイスを選んだXさんは「いつものような美味しさが感じられない……」と終始渋面だった。

違反点数1点で
ブルー免許に

皆さんご存じのように、5年以上にわたり無事故無違反を続けると優良ドライバーと認められて、免許証の色がブルーからゴールドへと変わります。

詳しくは後編で述べますますが、ゴールド免許には嬉しいメリットがいろいろあります。免許の更新期間が3年から5年に延びたり、自動車保険の保険料が割引されたりするなどは、最もわかりやすい例といえるでしょう。

ゴールド免許証

しかし、このゴールド免許は、たった一度でも事故や違反を起こすと次の更新でブルー免許になってしまいます。

これを免れるのは、違反点数の加点がない一部の軽微な違反、あるいは人的な被害がない一部の物損事故などに限られます。違反でいえば、違反点数1点の「進路変更禁止違反」や「座席ベルト装着義務違反」などでも、次回はブルー免許になってしまいます。参考までに、以下に例を挙げておきたいと思います。

[事故]

相手にケガを負わせた事故 → 次回ブルー免許

相手にケガのない事故1(当て逃げ) → 次回ブルー免許

相手にケガのない事故2(物損事故・自損事故) → ゴールド免許維持

[違反]

酒気帯び運転(違反点数13点) → 次回ブルー免許

座席ベルト装着義務違反(違反点数1点) → 次回ブルー免許

最低速度違反=ノロノロ運転(違反点数1点) → 次回ブルー免許

泥はね運転(違反点数ナシ) → ゴールド免許維持

免許不携帯(違反点数ナシ) → ゴールド免許維持

今、ゴールド免許を保有している方は、メリットを末永く享受するためにも、常に交通法規に沿った安全な運転を心がけましょう。

ずっとゴールド免許だったのに、たった一度の軽微な違反でブルー免許に!(前編)

ずっとゴールド免許だったのに、たった一度の軽微な違反でブルー免許に!(後編)

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