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2022年2月10日更新
今月の達人
協同/協同バス・鈴木貴大 [第1回]
2021年2月10日。埼玉県の久喜市内を循環するコミュニティバスの路線を、1台の電気バス(中国BYD社製)が走りはじめた。このバスの導入を久喜市に提案し、また運行業務に当たっているのは、株式会社協同(=ロータス協同、以下協同)と同じグループの中核会社である株式会社協同バス(以下、協同バス)である。
今回の「達人に訊く」コーナーでは、動きが顕著になりつつある“働くクルマ”の電動化を踏まえ、その代表格であるバスの電動化にスポットを当て、ロータスクラブのメンバーで協同/協同バスの社長である鈴木貴大さんに、電気バスの運用を開始した経緯、BYD社製を選んだ理由、電気バスの実力・魅力などを語っていただいた。
第1回目は電気バス導入に先駆けて行った、CNGバスの導入についてお届けする。
市民のためのバス事業
——バス事業のスタートは「50年前」と聞いています。
鈴木 私の父が、1978年にスクールバスの仕事をはじめました。バス会社というと、大手の路線バスや華やかな観光バスをイメージしますが、うちは地味なスクールバスの運行が最初。私が社長をしている今でこそ観光バスも運行していますが、ずっとスクールバスや、会社・工場・倉庫などで働く方の送迎バス、そして街を循環するコミュニティバスの運行を事業の主体にしてきました。
——長きにわたって、多くの人たちの毎日の学びや仕事、生活を支えるバス事業を行ってきたわけですね。久喜市内を循環するコミュニティバスとして電気バスを運行するという画期的な取り組みも、そうしたベースの上に実現したということでしょうか?
鈴木 そういうことになります。
「黒煙を出さないバス」から
「CO²を出さないバス」へ
——では、改めて電気バスの運行を実現するに至るまでの詳しい経緯を教えてください。
鈴木 少し長い話になりますが、前段から説明したいと思います。そもそもエコなバスへの取り組みは、天然ガスで走るCNGバスの採用から始まりました。当時……90年代後半のことですが、大きな企業の工場では国際的な環境管理システムの規格であるISO14000を取る動きが活発になっていました。そんな中で、ある工場の担当の方から突然「今のディーゼルエンジンの送迎バスを、黒煙が出ないものに替えてほしい」という要望を受けました。一瞬、「えっ、そんな無茶な」と思いましたが、それも時代の要請であると真摯に受け止めて、新しく開発されていたCNGバスへの転換を図ることにしたんです。運用開始は2000年の11月。送迎バスとしては日本初の事例だったので、新聞・テレビなど多くの取材を受けました。
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