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クルマのトラブル「もしも」マニュアル

Vol.61 保険の「使用目的」の変更を知らせないままだと、万が一のときに補償されない!?(後編)

2021年5月21日更新

自動車保険_通知義務_2

クルマの「使用目的」は
三つの選択肢から選ぶ

さて、自動車保険には〈告知事項(告知義務)〉と〈通知事項(通知義務)〉があるとわかったところで、ここでは、契約者がクルマの「使用目的」をどう伝えればよいのかを見ていきましましょう。

保険会社によって多少の違いはありますが、ほとんどの保険会社は「使用目的」を、「日常・レジャー使用」「通勤・通学使用」「業務使用」の三つに大別しています。そして、契約者はそのうちのどれかを選んで保険会社に告知(通知)すればOKとなっています。

選択式なので意外と簡単です。

ただ、「いつもは『日常・レジャー』に使っているけど、たまに『通勤・通学』で使用することもある」とか、「基本的には業務用だけど、子どもの通学の送り迎えや週末のレジャーにも使っている」といった人たちもいるはずです。そういう場合は、どうすればいいのでしょうか?

安心してください。保険会社では、そんな人たちのために、一定の基準を設けて正しく使用目的を選択できるようにしています。

次の「クルマの使用目的」判定チャート(東京海上日動火災保険のホームページ資料を元に作成)をご覧ください。このチャートに「はい」「いいえ」で答えていけば、すぐに自分のクルマの「使用目的」が選べるようになっています。



少し補足しておくと、「年間を通じて平均月15日以上」(※印で付記しているように、「年間」とは始期日から1年間)ということですから、「日常・レジャー」を使用目的としてマイカーに乗っていた人が、たまたまある特定の月に「通勤」のために15日以上マイカー通勤したとしても「年間を通じて平均月15日未満」ならば使用目的の変更を通知する必要はありません。そして、たまたまある特定の月にマイカー通勤中に事故にあった場合は、(通知義務違反ではありませんから)事故に対して補償されます。

ただし、違う使用目的で保険契約対象のクルマを使いはじめて、それがいつの間にか長い期間になってしまい、結果的に「年間を通じて平均月15日以上」となってしまうケースも想定できます。2020年初頭から続くコロナ禍について「いつか収束するだろう」と思い、「日常・レジャー」を使用目的としたマイカーで通勤するうちに早1年以上……これは完全にアウトです。

そして、「使用目的の判断基準がわかりにくいから、どうすればよいかわからなかった」といった言い訳も通用しません。自動車保険は契約に基づいているということを思い出してください。「もしも」の際に自分のマイナスをカバーしてもらうためには、契約履行が重要なのです。

なお、「使用目的」によって保険料は若干上下します。走行距離が短く、事故のリスクが最も少ないとされる「日常・レジャー使用」の保険料が一番安く、より走行距離の伸長とリスクの増大があるとされる「通勤・通学使用」、「業務使用」の順に保険料が高くなっていきます。

自動車保険の契約内容について、日常の暮らしの中で見直すことは少ないかも知れません。しかし、「クルマの使い方が変わった」ときには、必ず見直すべきです。コロナ禍でなくても、転職や独立でマイカーを仕事の足にするようになったとか、親がときどき日常の足に使っていたクルマを免許を取得した子が通学で毎日のように使うようになったなどの場合は、使用目的の変更にあたるかどうか確認すべきです。

「もしも」の事故のときなどにとても大事なことですから、〈告知義務〉〈通知義務〉を必ず果たしていきましょう!

保険の「使用目的」の変更を知らせないままだと、万が一のときに補償されない!?(前編)

保険の「使用目的」の変更を知らせないままだと、万が一のときに補償されない!?(後編)

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