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達人に訊く(62)デリカD:5は「使い勝手のいいミニバン」で「走行性能が優れたSUV」です!(前編)

2020年1月23日更新

今月の達人
共栄自動車商会・小林祐樹



デリカD:5は、2007年に発売されて以降、常に堅調な販売実績を残してきています。2019年2月のビッグマイナーチェンジ後も、その傾向にまったく変わりはありません。というか、発売当初は販売目標を大きく上回るなど、プラスαの売れゆきまで見せています。今回は、その人気の理由の一端を紹介していきたいと思います。

根強いファンが指名買い

大々的にCMを打っているわけではないのに、常にデリカD:5はしっかりと売れる――。

いったい、どうしてなのでしょうか?

※画像提供:三菱自動車工業株式会社(以下同様)



答えはカンタンです。

実をいうと、デリカD:5には「クルマはデリカD:5に限る」というほどに熱心なファンの方が一定数いらっしゃいます。そうした方々は新しいデリカD:5が登場すると自発的かつ積極的に代替え購入されることが多く、それが堅調な販売を支えている大きな要因の一つとなっているのです。

特に、よく遠出してアウトドアライフを仲間や家族と一緒に楽しむといったようなアクティブなカーライフを送っている方々が固定ファン化する傾向が顕著です。

なにしろ、デリカD:5は、たくさん人が乗れて、荷物がいっぱい詰める「使い勝手のいいミニバン」でありながらも、一般道はもちろん悪路での「走行性能が優れたSUV」としての性格を併せ持っています。こんなクルマ、どこを見渡しても存在しません。こうなると仲間や家族と一緒にアクティブなカーライフを送ることが多い方が固定ファン化するのは当然で、これまでの楽しいカーライフを維持し、かつより快適なものにするためにもデリカD:5を新しくなるたびに選び続けるのは不可欠の行為となるわけです。

まあ、唯一無二の存在もしくは能力故の販売ポテンシャルの強さ、とでもいえばいいでしょうか……。

ということで、以下、このデリカD:5がいかに魅力的なクルマなのかを、「使い勝手のいいミニバン」「走行性能が優れたSUV」の二つに焦点を当てながら紹介させていただきます。
ただし、まだデリカD:5のことをご存じない方に向けての初歩的なお話がメイン。すでにファンの方には「釈迦に説法」あるいは「耳にタコ」ということになるので、その点、ご了承ください(笑)。

実車でわかるグッドデザイン

最初に「使い勝手のいいミニバン」としてのデリカD:5ということについてですが、まずは外観から見ていきましょう。



ご覧のとおり、フロントマスクがミニバンらしからぬ超個性的なデザインとなっています。これに関しては、発表当初は賛否両論が巻き起こりました。「斬新!」と賞賛の声がある一方で、「なんだか深ぞり四枚刃の電動カミソリみたいで、エグ過ぎる」との意見も少なからず出たのです。

確かに写真で見ると、エグい感じ、なくもありません。当初は販売する私たちも写真を見て「ちょっと攻めすぎのデザインだから、ファンだったお客さまも引くかもな」という恐れを持ったほどです。

ところが、それはまったくの杞憂でした。
直後に実車を間近で見てみたら、フロントマスクの印象が写真とは全然違っていたのです。逆に精悍さと高級感を醸し、全体のカッコよさの起点となるすばらしいデザインに仕上がっていました。私は、抱いていた恐れを一瞬にして払拭させ、「アウトドアライフにふさわしい頼もしさがあると同時に、高級レストランに横付けしたって引け目を感じないほどに洗練されている。これならファンの方だけでなく、新しいお客さまも惹きつけられるかも」との希望的観測を抱くまでになったのでした。

そして、その観測は実際に当たっていました。現在、ウチのお店では、もともとのファンの方に限らず、実物をご覧になったお客さまの多くが「カッコいい」と絶賛されるに至っています。その多くは男性の方ではあるのですが、いっしょに来店される奥さまや恋人といった女性たちにも高く評価されるというオマケまで付いてきます。

しかも、しかも、これまでメインのお客さまだった30代~40代のファミリー層だけでなく、本来はホンダのステップワゴン スパーダとかトヨタのヴォクシー煌あたりを選んでいたであろう20代の若い子育て世代の方々もデザインをきっかけにして興味を持ち、購入されるケースが目立ってきています。
つまり、新しいデリカD:5の斬新かつ個性的なデザインは、実車で感じられるデザインのすばらしさによって既存のファン層ばかりでなく、新たな層まで開拓しているということができるのです。

あ、言い忘れましたが、このデリカD:5は、発表後から8ヵ月後の10月にグッドデザイン賞にも輝いています。これは、当然ながら、審査員の方も実車を見て、そのデザインのすばらしさを評価した結果でしょう。

そう、だから、デリカD:5のデザインに関する結論としては、カタログやネットの写真の見え方をあまり信用してはいけないということ(笑)。皆さん、ちょっとでも気になったら、ぜひ実車を店頭まで見にきてください!

キャンピングカーみたいに快適!?

次に、車内の使い勝手の良さついて。

これは特長がたくさんありすぎてなにを紹介すればいいか迷うところなのですが、既に購入された方の意見を集約すると、一番の魅力は、やっぱり多人数がゆったり快適に乗れてたくさんの荷物が積めるユーティリティの高さということになるようです。そして、よくよく聞くと、そこから発するプラスαの機能が、さらにココロをグッと掴むみたいです。

デリカD:5には特別仕様車を除くと基本的にM、G、G-Power Package、Pの4グレードがあります。Mは8人乗りのみで、それ以外は8人乗りか、2列目シートにアームレストが付いている7人乗りのどちらかが選べるようになっています。

どちらを選んでもグッドなのですが、遠出しかつアウトドアライフを楽しむことが多い方々は、ほとんど8人乗りの方を選ばれます。

その理由は……8人乗りの方は、2列目シートと3列目シートを倒せばけっこう広くてフラットなベッド状となり、大人2人ないしは子どもを含む3人が余裕で車中泊できるようになるからです。しかもかなり快適に。この機能を頻繁に活用している方にいわせると「ミニバンの中で寝ているのにキャンピングカーのベッドで就寝しているみたいに快適で、しっかり熟睡できちゃう」のだそうです(笑)。

まあ、キャンプの醍醐味はテント泊することなのかも知れませんが、悪天のときとか、安全性を考慮しなければならないときのことを考えると、この快適に車中泊できる機能は大きな魅力といえます。









急坂でも開閉する電動スライドドア

「使い勝手のいいミニバン」ということでは、もう一つ紹介しておきたいことがあります。

それは電動スライドドアの優秀性です。

いまのデリカD:5の電動スライドドアは、ドアがロックされていてもキーレスオペレーションキーを携帯していれば、そのワンタッチスイッチを押すだけでスライドドアが開閉するようになっています。また、ドアのスイッチを二度押せば、ドアが閉まると同時にロックが完了するという便利さがあったりもします。



しかし、私が言いたい電動スライドドアの優秀性は、そのことではありません。なんというか、三菱自動車ならではの優秀性がデリカD:5の電動スライドドアに詰まっているということを言いたいのです。

そもそも、スライドドアは荷物の積み降しを頻繁にする商用の箱バンと呼ばれるライトバンに付けられた特殊なドアでした。それを三菱自動車はデリカスターワゴンやRVRなどに積極的に採用しました。荷物のみならず、人の乗降も楽にできるようにとの配慮からです。そして、有用性が実証され、ユーザーの皆さんに好評をもって迎えられたことから、多様なタイプのクルマにスライドドアおよび電動スライドドアが採用されるようになりました。

そうした中で、三菱自動車は、三菱車特有の悪路でも走破できるクルマにふさわしいしっかりとしたスライドドアにすることに腐心しました。やがて、電動スライドドアが普及すると、今度はクルマが悪路で傾いた状態であっても、急な坂道で上を向いた状態にあっても、なんの支障もなく開け閉めができるという機能を徹底しました。



現在のデリカD:5についている電動スライドドアは、その信頼の電動スライドドアの進化形なのです。

どこのとは言いませんが、ほかのメーカーの乗用ミニバンについている電動スライドドアは、悪路を走ったりすると小さな不具合が出たりします。斜度の大きな坂道でドアが途中で止まってしまったという話も聞いたことがあります。デリカD:5の電動スライドドアには、そんなことは起こりません。少なくとも私のお店のお客さまで、そうしたクレームを寄せる方はゼロです。

なお、この特長については、ディープなファンにも関わらず気付いていない方がいらっしゃいます。なぜなら、ずっとデリカD:5を乗り継いできていて、ほかのミニバン経験が少なく、不具合のないことが当たり前だと思っていらっしゃるからです(笑)。

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お店紹介
共栄自動車商会:1960年12月に、初代の小林忠作氏が双葉商会を設立し、二輪車の販売修理業をスタート。1964年に共栄自動車商会に社名を変更し、四輪車を主体とした業務に移行。1967年に三菱自動車の協力工場となり、茨城三菱自動車販売㈱と本格的に取り引きを開始。その後、二代目であり現社長の小林隆一氏は、高い整備技術を背景に、「いつでも どこでも 今すぐに 貴方から車の困ったを無くしたい」という企業理念を実践し、地元での厚い信頼を築いた。常務取締役で、営業責任者として活躍する小林祐樹氏は、20代から自動車関連企業で武者修行した知識とノウハウを活かして、新たな時代の整備工場の在り方を追求している。



住所:茨城県古河市下大野1516-3
電話:0280-92-5416(代)
HP:http://Kyoei50.com

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