今月の達人
共栄自動車商会・小林祐樹
2018年3月にガソリン車として登場し、2019年6月にクリーンディーゼル車のラインナップも加えたコンパクトSUVの『エクリプスクロス』。今回は、クルマを評価するときの三大要素であるエクステリア、インテリア、走行性能にスポットを当てながら、この一台がもつ大きな魅力を私なりにお話ししたいと思います。
もしかしたら名車かも!?
私は、エクリプスクロスに名車の匂いを強く感じています。
理由は、その売れ方が「クルマの売れ方の王道」をいっているからです。
クルマの売れ方の王道とは、①(お客さまが)カタログや展示車を見て「外観のカッコよさ」に刮目する → ②展示車に座ってみて「内装のいい感じ」に感心する → ③試乗してみて「走りの良さ」に惚れ惚れとする……といった三つの段階をしっかりと経るなかで売れることを指すのですが、エクリプスクロスの売れ方は、その典型ともいうべきものになっているのです。
つまり、エクリプスクロスは、クルマを評価するための3大要素であるエクステリア、インテリア、走行性能それぞれが、お客さまに「いいね!」と言っていただける仕上がりになっているということ。
昔から「お客さまが、見た目と性能で心底いいと感じるクルマは“名車”になる」と言いますが、まさにそれを体現する一台となるのではないかと思えるのです。
画像提供:三菱自動車工業株式会社(以下同様)
ちなみに大ヒットするクルマは、必ずしも名車だとは限りません。中には、単に「売れているから」という理由だけでお客さまがご購入されるということがあるのですが、後で「こんなはずじゃなかった」というようなお話しをうかがうことがあります。こうなると、販売した私たちも立つ瀬がありません。
エクリプスクロスは大ヒットしていないからというわけではありませんが(笑)……、お客さまからそういう後悔めいた声はほとんど聞こえてきません。あるのは賞賛の声ばかり。私たちも自信を持ってお勧めできるというわけです。
男前なアスリートのような外観
「外観のカッコよさ」については実車を見てもらうのが一番なのですが、以下に掲示する写真でもそれは十分に伝わるでしょう。
まず注目してもらいたいのが斜め45°からの見え方。キリッとしたフロントフェイスからはじまる全体のまとまりのバランスが極めて良く、実に男前に仕上がっています。
三菱自動車は、現在、信頼感とタフさを表現するダイナミックシールドのデザインを、ほとんどのクルマのフロント周りに施しているわけですが、エクリプスクロスは、そのもっとも大きな成功例の一つになっていると思います。
そして、横、後ろから見ると、このエクリプスクロスがぼってりしたSUVではなくて、クーペフォルムのスポーティなSUVになっていることがよくわかります。サイドに刻まれた精悍かつ流麗なエッヂや、お尻がプリッと引き締まっている様は、まるで筋肉質のアスリートのようです。
実際、このクルマに興味を持つお客さまは、まずこの男前かつ筋肉質のアスリート然とした姿に引かれるようです。私の見るところ、その内のだいたい9割の方が「カッコいい」という言葉をもらしながら、車体をさすられています(笑)。
こんなことをいうと、もしかしたら三菱自動車の歴代のデザイナーさんを傷つけてしまうかも知れませんが、30代後半の私の知る限り、かつての三菱車でこれほど外観のデザインで惹きつけるクルマはなかったような気がします。「エクリプス=日食」の名のとおり、まさに何十年に一度ぐらいの確率でしか現れないカッコよさということがいえそうです(あくまで私見です)。
スポーティーさと高級感あふれる室内
「内装のいい感じ」も十二分。
締まった黒基調のなかにシルバーのモールが効いていて、スポーティーさと高級感が感じられる仕上がりです。
しかも、最上グレードのGそしてG Plus Packageのダッシュボードには、速度や走行状態を表示する透過型のヘッドアップディスプレイが標準装備されるなど、運転の集中力と楽しさを同時に高めてくれる装備がいっぱい。機能性においてもバッチリ納得できる出来栄えとなっています。
このドライバーズシートに身を沈めれば、その瞬間にどこか遠くまで走っていきたい欲望にかられるのは必至。実際、ウチのお店では、展示車に着座した後、すぐに試乗を希望される方が多数いらっしゃいます。
ちなみに、このクルマ、サイズそして室内の広さという点でもとてもグッド。
アウトランダーと同じプラットフォームを使っているために幅、高さはそれと同じなのですが、長さだけは少しだけショート。その分、クーペスタイルのカッコよさを可能にしていて、かつ取り回しのしやすさや比較的小さな駐車場での出し入れのしやすさも実現しています。
室内の広さに関しては、競合すると見られている同車格のトヨタのCH-Rやホンダのヴェゼルよりも格段に上です。だから、クーペスタイルSUVにありがちな窮屈なドライブとは決してなりません。着座した後、試乗への期待を高める方が多いのは、こうした点も大きく影響しているものと思われます。
どのエンジンもトルクがすごい
最後は「走りのよさ」についてですが、私はこれこそがエクリプスクロスの最大の特長だと思っています。その特長を生んでいるのはエンジンと足まわりということになるのですが、今回はエンジンにスポットを当てて、その良さを紹介していきたいと思います。
エクリプスクロスはグレードにもガソリン車とクリーンディーゼル車が設定されており、それぞれのエンジンは、どれもすばらしいものとなっています。
まず、ガソリン車に積まれている1.5Lガソリン直噴ターボエンジンについて。
1.5Lと聞くと、一瞬、「この車格でそのエンジンは小さすぎるのではないか」との懸念を示す方もいらっしゃいますが、なんのなんの、このエンジンは2.4Lの自然吸気エンジンよりも大きなトルクを発生させることができます。
下のグラフでわかるように、低回転域でのトルクは最高240N・mにも達します。そのため、どんなシーンでもスムーズな加速、爽快な走りが楽しめるようになっているのです。
事実、小さいエンジンの能力に疑いの目を向けていた方でも、試乗すると「低燃費なダウンサイジングターボなのに低速域での加速がいい。前代未聞のパワートレインだ」と驚きを持って絶賛してくださいます。
次に、クリーンディーゼル車に搭載されているのは2.2Lクリーンディーゼル直噴ターボエンジンについて。
これはもう三菱自動車史上最高のディーゼルエンジンといって過言ではありません。
わずか2,000回転で380N・mものトルクが出ることによる加速性の良さはその象徴でしょう。発進時はもちろん、追い越し時や登坂時でもグイグイと走ってくれます。たとえ5人が搭乗した状態であっても、その頼もしい走りになんら変化はありません。余裕綽々です。
しかもディーゼルエンジンの欠点とされるフリクションが大幅に低減されているため、走行フィールが滑らかで、高い静粛性が実現されています。つまりは、パワフル&ラグジュアリーなエンジンに仕上がっているのです。
それに加えてすごいのは、『尿素SCRシステム』を採用している点。「尿素って何?」と疑問を持たれる方もいらっしゃるでしょうが、尿素は保水作用があるため化粧品などにも使われている成分。この尿素を含む尿素水をエンジンの排熱で加水分解し、排気ガスに吹きかけることでアンモニアを発生させ、排気ガス中の窒素酸化物(NOx)を浄化するシステムです。これはかなりのスグレモノで、「ディーゼルエンジンは燃費がかなり良いけれど、実は環境によくない」といった最近の評価を覆すほどの高い環境性能を示してくれます。「エコなエンジンの一つ」といっても決して間違いではないでしょう。
私のオススメはクリーンディーゼル車
では、もし購入するとしたらどのパワートレインを選ぶべきなのでしょうか。
実績からいうと、ガソリン車を選ぶお客さまが多くいらっしゃいます。やはり車両本体価格がクリーンディーゼル車よりも安く設定されているので、これはまあ、当然の成り行きでしょう。これはこれで、適切な選択ということができます。
ただ、たびたびロングドライブをし、野山を駆けめぐることを愛する方には、私は、ちょっと無理をしてでもクリーンディーゼル車を購入されることをオススメしています。
遠くそして険しい道でも、安心かつ快適なドライブをするには、超パワフルな2.2Lクリーンディーゼル直噴ターボエンジンで余裕を持って走るのが一番だからです。それにエクリプスクロスの名車ぶりを、このエンジンであればさらに堪能することができます。
幸い、私のオススメどおりに購入いただいた方には、皆さん深く納得・満足していただいています。そして、ときにこんな感謝の声までいただきます。
「実は最後まで高い買い物かなという迷いがあったんだけど、いやあ、思い過ごしだった。遠出してみて、このクルマの実力がはっきりわかったよ。いいクルマを勧めてくれて、本当にありがとう」と。いえいえ、どういたしまして、です。
なお、エクリプスクロス全体で見ると、アクティブな20代~30代の独身男性の方の購入が多くなっています。これはクルマのイメージどおりのユーザー像です。
ただ、その一方で30代を中心とした若いファミリー層にも人気が出ている、という事実もあります。この人気の背景は、「どこへでもカッコよく、かつ安心して家族連れでドライブできる性能、大きさである」というところでしょうが、もう一つ、身長が低い華奢な奥さまでも運転しやすい設計になっている点も評価されているようです。
そう、エクリプスクロスはけっして男性だけにアピールするクルマではなく、女性にとってもユーティリティの高いファッショナブルなSUVなのです。
最近、自己表現として使えるクルマって本当に少なくなりましたよね。なんだか、没個性で、主張がなくて。でも、エクリプスクロスに乗って走れば、道行く人や他車からの視線を感じるはず。ということで、〆にあたってもう一度繰り返しますが、エクリプスクロスは名車なんです!
三菱車は、基礎がしっかりした“いいクルマ”です!
新eKワゴンは上品にキュートで安全性もバツグン。女性に超オススメの一台です!
カッコよくて力強く走るeKクロスは、モテ男にふさわしい軽ハイトワゴンです!
エクリプスクロスは「外観」「内装」「走り」の良さが光る名車です!
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お店紹介
共栄自動車商会:1960年12月に、初代の小林忠作氏が双葉商会を設立し、二輪車の販売修理業をスタート。1964年に共栄自動車商会に社名を変更し、四輪車を主体とした業務に移行。1967年に三菱自動車の協力工場となり、茨城三菱自動車販売㈱と本格的に取り引きを開始。その後、二代目であり現社長の小林隆一氏は、高い整備技術を背景に、「いつでも どこでも 今すぐに 貴方から車の困ったを無くしたい」という企業理念を実践し、地元での厚い信頼を築いた。常務取締役で、営業責任者として活躍する小林祐樹氏は、20代から自動車関連企業で武者修行した知識とノウハウを活かして、新たな時代の整備工場の在り方を追求している。
住所:茨城県古河市下大野1516-3
電話:0280-92-5416(代)
HP:http://Kyoei50.com