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みらいのくるまの「ただいまのところ」情報
2019年11月11日更新
ロータスクラブと提携している三菱自動車のブースにEVの姿はなかった。
だが、PHEVの現行車やコンセプトカー展示に加え、V2H機器で家と電動車を繋ぎ、太陽光で発電した電力を効率良く使用することができるパッケージ『電動DRIVE HOUSE』の展示も行われるなど、電動化の色合いはかなり濃いものとなっていた。
『MI-TECK CONCEPT』は
スモールサイズSUVのPHEV
ブースのステージ上で挨拶を行った加藤隆雄CEOは、今後の三菱自動車のPHEV戦略と、ステージ上に展示されていたオープン2シーターのPHEVコンセプトカー『M-TECK CONCEPT(マイテックコンセプト)』の概要について述べた。
その内容を以下に抜粋して紹介する(省略、要約あり)。
「三菱自動車は、電動化技術の中で特にPHEVを得意としており、アウトランダーPHEVは世界で最も累計販売台数が多いSUVタイプのPHEVとして評価をいただいている。これからもPHEVカテゴリーをリードし続けるべく、さらなるバリエーションの拡充を推進していく」
「その一つとして、今回、『MI-TECK CONCEPT』というスモールサイズSUVのPHEVコンセプトカーを提案する。PHEVは構成要素が多く、小さなクルマへの展開にはシステムのコンパクト化やレイアウト上の課題があった。(その課題を克服し)『MI-TECK CONCEPT』は軽量・コンパクトなエンジンを採用した新しいPHEVである」
「デザインは、ダイナミックシールドのフロントフェイス、力強いボディの面構成、大きく張りだした前後オーバーフェンダーと大径タイヤによって力強さと機動力、安定感を表現している」
「搭載するPHEVシステムのエンジンは、将来に向けたスタディとして軽量・コンパクトなガスタービンエンジン(編集部注:駆動に使わず発電だけのためのレンジエクステンダーと同様)とした。静粛性が高いことに加え、ガソリンだけでなく、軽油や灯油、アルコールなど地域によって最適な燃料が使用できる能力をもつ。また通常のエンジンに比べて、NOxなどの有害物質の排出が少ないクリーンさが特長となる」
「4WDシステムは、左右に設けた2基の高出力モーターで構成する『デュアルモーターAYC』を車両前後に搭載。合計4基のモーターは、それぞれの車輪に最適なトルクを発生させられるため、より高い次元のコントロールが可能となる。すなわち、安心・安全な操縦性はもちろん、圧倒的な走破性を実現することになる」
ちなみに、加藤CEOに続いて、ステージに上がったグプタ・アシュワニCOOは、次のような言葉で三菱自動車の電動車施策を語った(省略、要約あり)。
「今後は三菱自動車独自のPHEV技術に加え、アライアンスのバッテリーEV、シリーズハイブリッドといった多様な電動化技術を活用することで、電動車のラインナップを拡充していく。具体的には2022年までにミッドサイズSUV、コンパクトSUVに、いずれかの電動化技術を採用した新型車を投入する計画だ。今後、軽自動車を含め電動化を進めていく」
この発言からすると、三菱自動車の電動化施策はかなり具体的に練り上げられているようだ。
『ENGELBERG TOURER』は
アウトランダーPHEVの後継?
さて、ブースにはもう一台のPHEVコンセプトカーが展示されていた。名前は『MITSUBISHI ENGELBERG TOURER(ミツビシ エンゲルベルク ツアラー)』。外観・内観ともにつくりこまれており、EV航続距離70㎞以上、総走行距離700㎞以上といった具体的な性能数値まで明かにされていた。
すでに、いつでも市場投入可能という風情を漂わせているが、実際、どうなのであろうか。ブースにいた説明員に聞いてみた。
― 『ENGELBERG TOURER』、ずいぶんとカッコいいですね。
「ありがとうございます」
― 発売はいつごろなんですか?
「はっきりしたことはいえませんが、そんなに長く待たなくてもいいかも……という感じですね」
― 投入する市場は?
「初お披露目したのがジュネーブモーターショーなので、ヨーロッパからということになる可能性が大きいです」
― アウトランダーPHEVより一回り大きい感じですが、これはもしかするとアウトランダーPHEVの次期型なんでしょうか?
「うーん、それはご想像におまかせします(笑)。ちなみに、アウトランダーPHEVより大きく見えるのは展示車が3列シート仕様になっているからです。それに、展示用として大径のタイヤを履き、オプションのキャリアを屋根に載せていることも影響しています。実際の販売の際は、見た目のサイズ感は多少変わろうかと思います」
『SUPER HEIGHET K-WAGON』は
2019年度内の発売
今回の三菱自動車のブースは、リアルなPHEV祭りの様相を呈していて、ある意味で、ブレない方針がうかがえた。電動化技術に強い三菱自動車の、今後にかける意欲が確認できたともいえる。
その他、今回の東京モーターショーの目玉としてステージ上で紹介されたモデルは、『SUPER HEIGHET K-WAGON(スーパーハイト軽ワゴンコンセプト)』であった。『eKワゴン』『eKクロス』に続いて、軽自動車の激戦区スーパーハイトワゴン市場に2019年度内の発売を計画しているという。
発売までの時間を考えれば、東京モーターショーでのお披露目は、新車発表に等しい。
ところで、最後に取材班が感じたちょっとした違和感を付け加えておきたい。
アライアンスを組み、軽自動車の共同開発を行ってきた三菱自動車と日産だが、日産は軽タイプのEV『IMk』を披露し、三菱はガソリン車の『SUPER HEIGHET K-WAGON』を発表した。この微妙な展示構成の違いは何を物語っているのか。そのへんを説明員に来ても、「さぁ?」というような反応が返ってくるばかりであった。
まあ、憶測にはいったんフタをして、まずは今年度中というスーパーハイトワゴンの正式発表を待つとしよう。
(1) もうすぐ欧州で“セカンドカー”として走りだすリアルなEVたち
(2) ぶっちぎりでEV化するか、じわじわとEV化するか、それが問題だ!
(3) スズキはいつかきっとリーズナブルな電動車を国内で発売する!
(4) 三菱は進化形のPHEVシステムや電動4WDでSUVを過激に変えていく!
(5) タイヤもCASE時代にふさわしい革新的な進化を遂げてゆく!
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