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クルマのトラブル「もしも」マニュアル

Vol.9 アンダーパス走行中に愛車が水没。脱出方法は? 車両保険の適用は?〈後編〉

2019年3月26日更新

もしも_水没_2

Iさんは、洪水で高架下の道路がプール状態となっているところにあえて突っ込み、愛車を水没させてしまいました。前編では主に脱出方法について紹介したわけですが、この後編では車両保険が適用されるのか否か、そして、適用されるとしたら、それはどんな内容になるかなどについて述べていきます。

一般もエコノミーも
洪水による損害を補償

まず車両保険が適用されるか否かについて。

Iさんが、もしわざと「クルマを水没させてやろう」と考えてプールに突っ込んだとしたら、それは犯罪なので、当然車両保険は適用されません。しかし、今回のケースでは、判断の誤りはあったにせよまったく悪意がないので、洪水による不慮の事故と見なされ、車両保険はしっかりと適用されます(よかったですね、Iさん)。

なお、洪水被害においては、一般条件タイプの車両保険はもちろん、料金の安いエコノミータイプでも補償が発生します。ある意味、クルマよりも命の心配を優先させ、迅速な脱出を促してくれる配慮といっていいのかもしれません。

もしも_表_水没

※車両保険の一般条件タイプとエコノミータイプの補償の可否 参考:東京海上日動火災保険HP



外観が大丈夫でも
動力源がダメなら全損扱い

つぎに、車両保険の補償内容について。

今回のIさんのケースでは、エンジンに水が入ってクルマがストップしたものと考えられるため、おそらく全損扱いとなります。たとえ外観がなんともなっていなくても、そうなります。エンジンに水が入るということは、それほど重大な損害ということです。

この判定の際には、もちろん整備工場と保険会社のアジャスター(損害調査員)の確認が必要となりますが、それで全損の判定がでれば、ほどなくクルマの時価が全額補償されることになります(よかったですね、Iさん)。

ちなみに、ハイブリッド車も電気自動車も燃料電池車も、水に浸かってしまった場合はほとんどが全損扱いになるようです。エンジン同様、動力源となるモーターに水が入ると、クルマとして致命的な損害を被ると考えられているのです。

さて、クルマが水没したケースでの対応については以上です。
いかがでしたか? たぶん、保険の補償が思ったより手厚いので、ホッとされた方も多いことでしょう。

ただ、だからといって、気を緩め、水溜まりに突っ込んでも大丈夫なんて安易な考えは起こさないように。保険はあなたの命までは救えませんから。前編でも書きましたが、常に「浅く見えても、アンダーパスのプールには絶対に突っ込まない」を原則とした運転を心がけてください。

アンダーパス走行中に愛車が水没。脱出方法は? 車両保険の適用は?〈前編〉
アンダーパス走行中に愛車が水没。脱出方法は? 車両保険の適用は?〈後編〉

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